老大国ニッポンの活性化

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スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドなど北欧諸国は、1960年代から70年代初めにかけて、社会福祉国家の理想とまでいわれた。

ところが、70年代終わりごろから80年代にかけて、欧米や日本などの成長に後れを取って、その停滞ぶりが社会問題となっていった。

そこで、北欧各国は社会福祉路線を軌道修正して、一部で市場の競争原理を導入した。

それが奏功して、ノキア、エリクソンといった企業が一気にのし上がってきた。

また、デンマークのオーステッド社は洋上風力発電で世界をリードするまでになった。

長いこと北欧へ行っていないから、人々の生活ぶりがどうなっているのか、よくわからない。

ただ、80年代に大騒ぎとなった社会福祉国家の限界といった話は、とんと聞こえてこない。

そのあたりから推測するに、北欧諸国は社会福祉と自由競争経済とを、うまくミックスさせているのかなと思う。

そこで考えたいのは、この日本の長期低迷をどうやって克服するかだ。

80年代には、社会主義国よりも成功した国と称賛された日本だが、その地盤沈下は甚だしい。

少子高齢化が進んでいるから、国全体の活力が落ちていくのはやむをえない? そんな風には、考えたくもない。

そもそも、自由競争経済とは言っているものの、日本全体が競争をしない、あるいは競争をさせない方向に、どんどん傾斜していっている。

その典型が、よく言われる業者行政である。 経済産業省など中央官庁が業者間の利害調整を図ったりする。

企業もそれを良しとして、おとなしく従う。 そういった競争排除と現状是認が進めば、企業の活力は失われていって当然だろう。

とはいえ、そういった業者行政に唯々諾々としている経営者も、まったくをもってダラシない。

かつて本田さんは、自動車会社を2社に集約しようとしていた通産省の政策に、真っ正面から反旗を翻した。

新たに4輪車の生産に乗り出すと発表し、その実現に動き出したのだ。

日本の産業界を牛耳っていた通産省に楯突いて4輪車製造を始めたわけだから、どれだけ風圧がきつかったことか。

そんなものを物ともせず、本田宗一郎さんは4輪車ビジネスに飛び込み、世界のホンダを築き上げた。

事業家精神ここにありの典型例である。 ビジネスなど、役所の差配を受けて大きくなるはずがない。

そう、ここから日本中あちこちで事業家精神の発露をみたいものだ。 その勢いが日本経済の活力につながっていくはずである。

なにしろ、動ける人から動いていくのが経済の原点なのだから。