まともな運用会社の、焼け太り

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自由競争経済のいいところは、企業も個人も好きに事業を展開できることだ。

むろん、違法や道徳倫理にもとる事業はご法度だが、それ以外は原則自由である。

これは儲けのチャンスと見れば、あらゆる工夫を凝らして、ビジネス拡大を狙っていい。

いま金融業界を見渡すと、カネ膨れの上昇相場があらゆるマーケットで続いている。

それに乗じて、いろいろな投資案件が業界からビジネス提案されている。

どれもこれも、案件を提案する方は自由。 それに対し、投資家の方が自己責任で判断すべしということになっている。

投資家の方が自分で判断しなさいと言われても、そう簡単ではない。

なにしろ、株価でもなんでもカネあまりを受けて上昇傾向が続いている。

それをテーマとした投資案件には、おのずと耳を傾けたくなる。 儲かりそうといった誘惑には勝てない。

ビジネスを提案する方も、ここが稼ぎ時だと気合が入る。 投資家の方も、儲け時だと期待が膨らむ。

かくして、金融マーケットはますます賑やかになる。 それが、バブルとなっていくわけだ。

そういった流れに対し、投資家が誘惑にブレーキをかけられるかとなると、難しいものがある。

よほど長期視野と大局感に立った冷静な判断ができないと、断固たる行動はとれない。

ということは、大半の投資家はバブルに乗ったまま最後まで行ってしまう?

そういうことだ。 いつのバブルもはじけて、痛い目にあってから、人は反省する。

反省するといっても、もう遅い。 多くの人は資産を大きく減らした後だ。

投資はもうこりごりだといって、マーケットを去っていく。 業者も事業の縮小を迫られる。

そんな中、一部の人は学ぶ。 どうしてあそこまでバブルに踊ってしまったのか。

どうして、ブレーキをかけられなかったか。 果たして皆がみな、バブルに踊り狂ったのかと。

そこで、はじめて運用会社の中でも長期的な視野と独自の投資判断で、バブルを軽微な痛手で乗り切ったところが注目を浴びる。

そして、そこへ資金を預けようとする流れが、ビックリするほど大きくなる。

まともな運用会社にとっては、焼け太りといった感じで資金流入を謳歌することになる。

焼け太りというと表現が悪いが、ホンモノの長期運用会社が大きく見直されるということだ。

いつのバブルに対しても、つける薬はない。 痛い目に合わなければ、ホンモノの投資に気づかない。

われわれ本格派の長期投資家からすると、このカネあまりバブル高には警告を発し続けよう。

同時に、バブル崩壊後の投資家の拠り所になるべく、その準備を怠れまい。