本物の長期投資とは

Browse By

投資というとすぐ、どう儲けようとか、うまく儲けたいといった考えが頭に浮かぶ。

これは、そもそもからして考え違いである。 儲けようとか儲けたいとすれば、誰かからお金を奪うことになる。

つまり、皆でお金の分捕り合いをやっている、それを投資と勘違いしているわけだ。

そういったお金の分捕り合いを、白昼堂々とやっているのが、マーケットである。

マーケットでは、取ったり取られたりのゼロサムゲームを、果てしなく繰り広げているだけのこと。

ゼロサムゲーム? そう、誰かの損は別の誰かの儲けであって、全部足すとゼロになる。

ただ、長い目でみると経済は成長しており、マーケットへの流入資金も増えていく。

それもあって、取ったり取られたりのお金の分捕り合いをしながらも、マーケット参加者全体でみると取り分は増えていく。

うまく分捕ったり、流入資金の増加に沿った取り分の拡大をもって、投資収益といっているわけだ。

そんなもの、投資ではない。 しょせん、お金の分捕り合いにすぎず、博打の延長線でしかない。

だから、一般的に投資投資といわれているものは、難しいとかリスクが大きいと嘆くことになる。

違う。 本物の投資とは、将来価値の高まりに資金を投じることである。

期待通りに価値が高まってくれれば、投下した資金も増えて戻ってくることになる。

それが、投資のリターンであって、文字通り「リターン、戻ってくる」だ。

将来価値には2種類ある。 実質的な価値の高まりと、価値観の高まりだ。

実質的な価値の高まりは、企業の長期的な利益成長をイメージすると、わかりやすいだろう。

その企業が社会に受け入れられて売り上げも利益も増加していくと、株価もそれを反映して上昇する。

そういった企業に資金を投下しておけば、長い目でみると投下資金は殖えて戻ってくることになる。

一方、価値観の高まりは、マーケットでの価格変動に、どう対応するかだ。

マーケットなんてものは、その時々の投資家人気でもって、上がったり下がったりする。

投資家人気は往々にして、投資価値を大きく逸脱して買い上がったり、売り逃げに走ったりする。

暴落相場などで、ほとんどの投資家が本来の価値お構いなしで売ってくるものだ。

そんな時に買っておけば、本来の価値とのギャップ、すなわち将来価値を買うことになる。

むろん、投資家人気が戻ってきて、本来価値を大きく超えて買って来たら、売り上がって利益確定する。

マーケットにおける価値観が、そんなものお構いなしに売り込んだり、買い上がったりするのに対し、こちらは本来の価値を買ったり売ったりする。

これらの、どちらにも時間軸は長めにして、のんびり待つという構え方が絶対に欠かせない。

それが投資というもので、長期でマイペースを守るのが基本である。