新著の反応、すこぶるいいよ!

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日経BP社から刊行した『金融バブル大崩壊』が、1週間でもう重版となっている。

まだバブル高が続いているが、「これは、おかしい」と思う人が、それだけ多いのだろう。

だから、2月に入って出版された新著を手に取ってくださるのだろう。 これは、面白い展開である。

1980年代後半に日本全体が株式や土地などの投機に踊り狂った、あの当時とはどうも様相が違う。

当時は、みなが熱くなっていた。 自分は88年の8月から、どんどん売り上がっていこうと提唱していた。

そして、お預かりしていた特金勘定などを、次々と現金化して利益確定を進めていった。

結果的には1年半も早かったが、その間というもの、誰も聞く耳を持たずといった展開だった。

日本のバブルは89年の年末で吹っ飛び、翌年初からは総売りの大混乱に日本中が巻き込まれていった。

こちらは、バブル崩壊からはほとんど無傷で、暴落相場をバーゲンハンティングに打って出た。

どうだ、これが本格的な長期投資だと意気軒高だったのが、30年前のことである。

今回は、どうも様相が違う。 「これは、どうみてもバブルだ」という認識が、あちこちで高まっている。

それが故に、新著に対する関心も高いのだろう。 だからといって、早めに売っておこうという動きはまったく見られないのだ。

バブルという認識はあっても、バブル崩壊にしかるべく対処しようとする動きが、さっぱり出てこない。

まるで、ずっと警鐘を鳴らしてきている日本全体の『ゆでガエル化』が、ここにも表れてきているかのようだ。

このままではいけないと、ぼんやり思いながらも、これといって何もせずにズルズル流されていくばかり。

それでいて、不安だけはしっかりと高まっている。 それが、預貯金にしがみつく一般的な現象となっている。