じわりじわりと重くなっていって

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どんなに強烈な上昇相場も、はたまたバブル相場でも、あるところから上値追いの勢いが鈍りだす。

そして、相場動向に上値が重くなったような症状を見せ始める。 その症状にも、ふたつのパターンがある。

ひとつは、高値とみて利益確定の売りが次々と出てくるが、それにもめげず買いがどんどん入ってくるパターン。

売りと買いとが真っ向からぶつかり合って、壮絶なる力勝負をしているわけだ。

表面上は、上へも下へも行かない膠着相場の様相を見せるが、マーケット内ではすさまじい売買が繰り返されている。

そういった力勝負を売り方が制すれば、さしもの上昇相場もガタガタと崩れ落ちていく。

逆に、買い方の勢いが勝れば、相場は上っ放れて新たなる上昇相場のパターンを描き出す。

これを新値追いといって、買い方の勢いは一気に高まり、さらにすさまじい上昇相場になっていく。

なにしろ、そこまでの売り方は総崩れとなり、一転して買い方として参入してくるのだから。

また、それまでの空売りなどの買い戻しも、新値追いに入った上昇相場を加速させる要因となっていく。

もうひとつは、上値追いの勢いが鈍っていくパターン。 小幅な上昇をしては、一休みするといった相場展開が中心となる。

この場合、バブル熱気はまだ続いている。 それで、売りはほとんど出てこない。

しかし、買いの勢いも落ちてきている。 そのため、市場での売買は急速にうすれてしまう。

これも表面上は膠着相場の展開だが、前者とはまったく違う展開となっていく。

もうどこで大崩れとなってもいいが、そのきっかけを待っているといった場味(相場展開)なのだ。

現行の金融バブルだが、いままさにこの状態に入ってきたと思われる。

先進各国の中央銀行が胴元となっているから、ほとんどの投資家は怖れ知らずで上値を買いまくってきた。

しかし、さすがに「このまま買い上がっていって大丈夫か」といった、バランス感覚のようなものが芽生えてきているのだろう。

あまりの高値を買い上げることに対し、経済合理性の意識が徐々に働きだしているわけだ。

それで、買い上がりの勢いが鈍ってきている。 バブルのさ中ではあるが、その熱気は常識的な判断に押され出しているのだ。

こうなってくると、文字通りの「きっかけ待ち」である。 なにかの加減で、ドスーンと下がり、それを合図にバブルは崩れ落ちていく。

あるいは、上値が重くなり徐々に下げる度合いがひんぱんになり、どこかで棒下げに入っていくのかも。

ともあれ、この前代未聞の金融相場も、そう遠くない将来に崩落局面を迎えるのだろう。