いつのバブル高相場も、はじける寸前までは、このまま永遠に上昇していくような勢いに溢れている。
その勢いは往々にしてすごい熱気でプンプンしているが、時として現在のように静かにバブル買いのエネルギーを燃やし続けることもある。
ともあれ、このままバブル買いを続けても大丈夫だよというメッセージが、米FRBから発信されている。
米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備理事会)のパウエル議長は、2023年まで現在のゼロ金利政策を続けると発言している。
それは、そのまま超のつく金あまりが維持されるという保証のようなものである。
それは、現在進行形のバブルがはじけて株価のみならず債券市場が崩れ、長期金利が上昇をはじめるのも阻止するぞということでもある。
つまり、あらゆる手を使ってでも金利上昇を阻止するぞという政策意思も含まれているわけだ。
ということは、株式市場や債券市場のバブル高が続くのを、米FRBが容認しているようなもの。
昔から投資の世界では、中央銀行とは喧嘩するなという教えがある。
中央銀行は紙幣をいくらでも刷れるから、その資金力にはいかなる投資家も勝てっこない。
だから、中央銀行の政策方針には黙って従った方が無難だということだ。
そういった教えからすると、現在進行中のバブル高には無条件で乗った方が賢明ということになる。
すくなくとも、パウエル議長が言っているように、2023年までは何の心配もいらないよということだ。
さあさあ、ここからが今日の本題である。 いつのバブルも、どこかで熟柿が落ちるように崩れ始める。
それは、いかに世界の中央銀行である米FRBが金利を上げないぞと断言していようとだ。
どういうことか? 人々つまり投資家のリスク回避の売りには、米FRBといえどもストップをかけられない。
現行のバブル高が続けば続くほど、多くの投資家の間で高値警戒感といったものが、深層心理のように芽生えてくる。
これは人間の持っている、ごく自然なバランス感覚のなせる業である。
そういった深層心理は、いまバブル買いに熱くなっている投資家の間でも静かに蓄積されていく。
これが、なにかの加減で株価がストーンと下がったりすると、「やはり、思っていた通りだ。売らなければ」といった行動に直結する。
それまでの高値警戒感が、ひとたび売りの行動に転嫁されるや、市場全体があっという間にリスク回避の総売りとなる。
バブルが崩れる時は、いつもこんな感じである。 瞬時にパニック売りが広がっていく。
で、それがいつ始まるの? それだけは、神のみぞ知るのところである。
明日からでもいいし、年内でもいい。 まあ、そう遠くない将来だとは思うが。