生活者投資家が地球を救う(後編)

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地球温暖化による異常気象とマネー至上主義の横暴が、われわれの生活や経済を脅かしている。

昨日の続きとなるが、今日は株主の利益をなによりも優先するマネー至上主義の問題点を洗い出そう。

アクティビストや投資ファンドそしてヘッジファンドなどが前面に出て、企業に短期利益の最大化を強引に迫る。

本来なら、臨時株主総会を招集できるだけの株数を集めて、その上でもって企業経営に対し議決権を行使するのが筋である。

ところが、アクティビストたちは数パーセントの株式を保有して、その立場でマスコミなど社会に向けて自分たちの主張をアピールする。

ほんの少数の株主による提案だが、年金など機関投資や金融機関の多くが即座に支持するから、企業経営者はそれを無視できない。

年金などを広く含めれば、間違いなく多数株主の意向ということになる。 そして、マスコミも大々的に騒ぎ立てる。

だから、臨時株主総会などの正式なステップを踏むことなく、アクティビスト提案がいとも簡単に企業経営を左右することになる。

彼らの意図は、いかにして多額の現金を、できるだけ短期間に企業から吸い上げるところにある。

配当金の増額からはじまって、自社株買いで株価を上げさせて高値で売り抜けることや、会社そのものを高額で他社に売り飛ばすもありだ。

とにかく現金を吸い尽くして、後は野となれ山となれで企業を捨ててしまっても、平気の平左である。

アクティビストたちに同調する年金など機関投資家も、今年の運用成績に少しでもプラスとなれば、もうそれでよしである。

そういった短期利益追求を旨とする株主の横暴が、企業経営をどれだけズタズタにしていることか。

多数株主の意向ということで、まともに長期視野の経営を指向したところで、いとも簡単に葬り捨てられる。

残念ながら、この図式は崩れそうにない。 なにしろ、短期利益追求の黒幕が年金であり、その運用が毎年の成績を追いかけて資産増加に躍起となっているのだから。

ここは、そういった短期利益追求の運用に対するカウンターとして、生活者投資家を増やしていくしかない。

生活者が自分たちの現在そして将来をより豊かにしていく為に、お金に働いてもらう。 それには、どういった方向で投資運用するのが良いのか。

われわれ一般生活者が、一人ひとり長期の企業応援投資をしていくのだ。 自分たちに大事な企業をずっと応援する方向で、のんびりと財産づくりをしていこう。

幸い、一般生活者の数も、保有する預貯金資産も年金を大きく上回る。 皆が集まれば、巨大な力となる。