株式投資はリスクが多い?いやそうでもない?

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この、金あまりバブル株高を見ていると、株式投資はリスクが多いと嘆く投資家が、いずれ続出することになろう。

コロナ禍にあえぐ世界経済の現状を見るに、株価だけがどんどん上がっていくのは異様である。

そうはいうものの、これは買われすぎだよ、割高だよ断じるにしては、それを裏付ける数値基準なんてものはない。

代表的な株価水準の尺度であるPER(株価収益率)にしても、それが産声を上げた1960年代には3倍とか4倍だった。

すなわち、PERが3倍なら投資リスクを取ってもいいが、4倍となると割高であると議論していたものだ。

PERが3倍ということは、その企業の現在の収益力からすると、3年で投下資金を回収できるというわけだ。

ましてや、その企業の利益成長力からすると、投下資金の回収が3年から大幅な短縮が期待できる。

ならば、現在のPER3倍という株価水準なら、思い切ってリスクを取ってみようか、そういって投資判断したものだ。

ところが、投資の回収期間が4年ともなると、その間に起こりうる変動要因を加味して、リスクが大きいと判断した。

これが、成長株理論である。 つまり、PERが3倍なら割り安、4倍なら買われすぎといわれたわけだ。

3年とか4年という期間であれば、ある程度の予測も立てられ、リスク許容度もそれなりにあるといえよう。

そのPERだが、割り安とする判断倍率が時代の経過とともにどんどん上がっていった。

いまや16倍なら割り安で、現在の22倍はちょっと買われすぎではといった具合だ。 おかしいと思えないか?

投下資金の回収に16年も22年も、さして変わらない。 はっきりしているのは、16年先も22年先も予想不能ということ。

そうなのだ、数値を使った割り安とかの判断など、気休めにすぎない。 これぞ絶対といった投資判断尺度なんてない。

現に、株式市場を見るに株価が上がっているから買おうとする出遅れ投資家が、ごろごろしている。

その人たちの多くが、いずれ株式投資はリスクが大きいと嘆くことになるのだろう。

われわれ本格派の長期投資家は、バブルの崩れも読み込んだ投資をしている。むしろ、崩れを待っている。

したがって、株式投資はリスクが大きいどころか、リターンのチャンスが転がっていると判断するわけだ。