つみたてNISAをはじめとして、若い人たちが投資の世界に入ってきだしているようだ。
いい傾向なんだが、現在の投資環境に問題があって、せっかくの機運が削がれてしまわないか懸念が残る。
投資環境に問題? 世界の金融マーケットは金あまりのバブル高をしていて、どこかで大きな下げを食らうだろう。
投資を始めたばかりの人たちにとっては、相当にショックを受けることになる。 それも、ダブルパンチだ。
ひとつは、ようやく投資に踏み切ったところで、早々とマーケット暴落の洗礼に見舞われること。
投資に価格変動リスクはつきものだが、最初から暴落相場に直面するのは、ちょっと辛い。
もうひとつは、もっと根本的な問題である。 投信など金融商品の購入でもって投資の世界に入ってきた人たちが心配である。
このゼロ金利下でも利回りを狙った運用商品は数多い。 バブル崩壊で、利回りを狙った運用がズタズタになる懸念は大である。
ということは、せっかく投資を始めたのに、マーケットの下落だけでなく、購入した金融商品の長期低迷に巻き込まれるのだ。
想像するだけでも、ウンザリさせられる展開である。 残念ながら、そういった現実に直面せざるを得ないだろう。
投信はじめ多くの金融商品を見渡すに、現在進行形のバブルが崩壊したら大変だろうなと思わざるを得ないのが大半である。
本当は、こんなバブル高の相場展開からは一歩引いて、バブル崩壊後に焦点をあてた長期の投資運用に徹すべきところ。
残念ながら、そういった本格的な長期投資を展開している金融商品は、ごくわずかしか販売されていない。
この金あまりバブル相場が崩れてみれば、はっきりわかる。 大半の投資商品は暴落相場をのたうち回ることになろう。
一方、暴落相場から素早くV字型で成績を回復させるのは、さわかみファンドがその代表だが、ほんの一部だろう。
願わくは、一人でも多くの投資はじめての人たちが、本格的な長期投資の運用商品に出会ってもらいたいものだ。