しっかりと読み込んで、ガッチリと行動しよう

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新著「世界経済はもっと荒れるぞ、そして超インフレだ」の売れ行きは好調のようで、早くも重版が決まった。

ありがたいのは、本格派の長期投資家の読み込みに多くの人々が接してくれて、しかるべき行動に移ってもらえることだ。

それだけでも、本書を買ってもらう価値はあるし、必死になって書き上げた甲斐があるというものだ。

われわれ長期投資家は、いつでもここから10年ぐらいの間に起こるであろうリスクは、すべて削ぎ落とした財産づくりを考える。

その流れでいうと、拙著に書いた内容がたとえ現実とならなくとも、なんの損失にもならない。

たとえば、債券投資をはじめREITなど利回りを求めた投資商品のすべては、こんなゼロ金利下で得るものはほとんどない。

ジャンク債も大した利回りにならない割には、リスクが大きすぎる。 つまり、投資妙味はない。

逆に、読み通りの展開となっていけば、その可能性はきわめて高いと思うが、すごく安全に大きな財産づくりを進めていけるはず。

ここまで、49年間にわたる世界での運用経験からいえることだが、次の5年ぐらいは経済も投資環境も大荒れとなろう。

どういうことか? 株価などがすさまじいバブル高を演じ、その後で地獄のような状況に遭遇する。

それは、この30~40年間にせっせと積み上げた不合理を洗い出す意味では、避けて通れない道である。

不合理? 世界、とりわけ先進国は、これまで経済合理性を大きく逸脱して、人為の力任せを押し通してきた。

それが、もう限界に到達してしまって、築いてきた価値観が砂上の楼閣のようにガタ崩れとなっていくのだ。

ひどい修羅場となるが、一度ガタ崩れとなった方がいい。 そこから、経済合理性に則った経済というものが戻ってくるのだから。

経済合理性に則った? そう、われわれ長期投資家が拠って立つところ、つまり当たり前の経済である。

ということは、これまでは? 金融すなわち貨幣を大量供給すれば、経済を拡大発展させていけるといったマネタリズムでやってきた。

結果は? 一部の人たちに富は集中したが、多くの人々を低所得化に追いやり、株式や商業用不動産のバブル醸成しただけのこと。

そういったマネー至上主義が行き詰ってきたのだ。 結構なことである。 到来する修羅場も、なんら怖れることはない。

われわれは、その後に復活してくる健全な経済に焦点を当てて、本格的な長期投資を推し進めるのみ。