長年のというか、証券投資業界においてきわめて数少ない友人である、岡本和久さんが主催する団体、それが FIWA である。
正式名は、Fiduciary Investment and Wealth Advisors という特定非営利活動 NPO 法人である。
何をやっているかというと、個人投資家に対し真の財産づくりをお手伝いしようとする人たちを束ねた組織である。
真の財産づくりをお手伝い? そう、長いこと貯蓄から投資へといわれてきているが、日本に決定的に欠けているのが、このお手伝いである。
日本にはFP(ファイナンシャル・プランナーズ)という資格者が10数万人いて、個人向けの財産づくりアドバイスをしているではないか?
残念ながら、FPの80数%が金融機関に属していて、そこの売り子として FP 知識を活用しているだけのこと。
金融機関の販売促進を担当していて、どこまで真の財産づくりアドバイスができているか、はなはだ疑問である。
一方、金融機関に属さず独立系を貫いているFPのほとんどは、有料の財産づくりアドバイスでは、なかなか食っていけない状態にある。
そんな中、最近 IFA (Independent Financial Adovisors) という団体が存在感を高めてきている。
こちらも、当初の志はよかったのだが、どんどん金融機関との提携が目立つようになってきている。
顧客からのアドバイス料だけでは食っていけず、どうしても金融機関とのタイアップで収入を確保しなければならないのが現状である。
そこで立ち上がったのが、岡本さんの FIWA である。 こちらは、会員資格条件の第1に、金融機関からの収入は一切ないということを証明し続けなければならない、それも毎年というのがある。
金融機関から一切の便宜を受けていない人でなければ、真の財産づくりアドバイスにはならない。
収入ベースは、100%顧客からのアドバイス料である。 よほどの満足度を高めないと、とても食ってはいけない。
この厳しさが、真の財産づくりアドバイザーを育てる試金石となる。 また、そういった意思と意欲を持った本物のアドバイザー集団という社会的認知も徐々に高まっていく。
それに対し、いうはやすし、現実は厳しいというのが、金融界全般の見方である。 日本人は情報はタダだということで、なかなかお金を払いたがらないという固有観念もある。
そんな下馬評が流れているが、岡本さんなら、この難事業をやり通すだろう。 ちょうど、さわかみ投信が独立系の直販投信を立ち上げ、社会の認識を一変させたように。
最大の味方は、時代のニーズ、社会のニーズである。 投資家顧客の評価さえ高まっていけば、それが社会認識となっていく。