官製相場、さてどこまで行けるのか

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株式市場で昔からいわれているものに、国や中央銀行の政策に逆らうなというのがある。

通貨はいくらでも刷ればいいから、資金力では到底かなわない。 また、政策や法律を変えれば、ゲームのルールさえも変えられる。

それが故に、いわゆる官製相場に対しては「畏怖の念をもって従う」というのが、マーケットでは常識となっている。

リーマンショックから11年余り、世界のマーケットは官製相場のゴリ押しでもって「上値追い」を続けてきた。

米ナスダック市場は最高値を更新したし、NYダウ平均株価も最高値圏にある。

債券市場はゼロ金利やマイナス金利に象徴されるように、最高値圏にへばりついたままでいる。

その背景には、史上空前の大量資金供給と政策金利をゼロ水準にまで下げるといった、米中欧日の共通政策がある。

すさまじいまでの官製相場だが、さてどこまでゴリ押しできるのだろうか?

たしかに、未曽有の金融緩和でもって景気を下支えしてはきた。 しかし、それは張りボテの景気回復に留まっている。

物価を2%以上に引き上げて、本格的な景気回復軌道に乗せようという目標には、とうてい及ばない。

せいぜい、金融マーケットや不動産市場でのバブル高を煽り続けているだけのこと。

無理に無理を重ねてはきたものの、さてこの先どうなっていくのだろう?

いかに官製相場といえども、経済合理性の圧力には敵わない。

つまり、常識から大きく逸脱した状況が永久に続くことはない。 必ず、常識への回帰が始まる。

そう、さしたる富も生んでいない現実から、先進国中心の金融緩和政策に対し反動圧力が高まってくるのだろう。