今年は、どこかで大荒れ、おもしろくなるよ!(前編)

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われわれ長期投資家は、相場の予測などしない。 したがって、相場の見通しなどは無用と割り切っている。

そんなものに神経を尖らせる必要はさらさらない。 相場が大きく下げれば買うし、噴き上がってくれば少しずつ売り上がっていくだけのこと。

大事なのは、なにを買って、どんなものには手を出さないか、投資対象の選択である。 それさえできれば、もう十分に投資運用ができてしまう。

新年早々に考えたいのは、ここからの投資対象についてだ。 ひとつずつ洗い出してみよう。

先進国中心に政策金利はゼロ同然にまで下げる金融緩和で、世界中でマイナス利回りの国債が蔓延している。

ということは、債券価格が天井圏を舞っていることを意味し、債券投資で期待できるリターンは、ますます限定的と判断するしかない。

いまや、ディーリング益を狙うしかないぐらいにまで、債券投資の妙味は下がっている。

それは、投資妙味が限りなく薄れてしまった債券市場から、どこかでマネーが流出するリスクが高まっていることを意味する。

きっかけは、おそらくジャンク債などの一角が突然、値崩れしだすことだろう。

もともと信用度の低い借り主が、高いコストを払ってジャンク債を発行している。

世界の投資マネーは、すこしでも高い利回りを求めて、そういったジャンク債を買い群がっている。

どこかで一部のジャンク債で信用リスクが噴き出した瞬間、売りの連鎖はジャンク債市場全体に広がっていくことになる。

それは、ジャンク債の流通利回りの急上昇を招き、即座に債券市場全体にも売りを誘引することになる。

そのリスクは高まる一途であり、ここから先どこかで債券市場が大暴落を迎えるのは、もう避けようがない。

なにしろ、マイナス利回りの国債に1700兆円もの投資マネーが向かうほどまで、債券全般は高値圏に張り付いているのだから。

はっきりしているのは、世界中の投資マネーが、もうほとんど値上がり期待のない債券を、たっぷりと抱え込んでいることだ。

そんな現実に、もうそう遠くない将来、市場金利の急上昇という新たな現象が襲いかかるのだ。

その時は、マイナス利回りの国債はじめ債券すべての投資妙味(?)を一挙に叩き潰す。

それは、1983年以来、36年ぶりの長期金利の急上昇となり、世界中の債券投資家のほとんどが未体験の修羅場に直面させられることになる。

すごい大混乱に陥るのだろう。 その始まりが、そろそろ近づいているのではなかろうか。

続きは明日書くが、われわれ長期投資家は何も慌てることはない。 むしろ、大きなチャンスだということを前もって書いておこう。