NISA 制度の拡充?

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報道では、一般 NISA や積立て NISA の制度がより充実する方向にあるとのこと。

詳細は分からないが、期限を5年延長するとか、どうも小出しの制度改革のようだ。

どうして、日本の政治は抜本的な改革に踏み込まず、いつも小出しの改正に終始するのだろう?

一般 NISA も、積立てNISA も本来の目的は、日本の個人や家計の間に投資運用を普及させようというところにある。

預貯金に眠らせている個人マネーは GDP の1.7倍に上る。 そこから生み出される富は、つまり預貯金の利子は0.01%とかでしかない。

これでは、個人の消費も高まらないし、日本経済の活性化も進まない。 むろん資産形成など、夢物語にもならない。

なんとしても預貯金マネーを長期投資に向けさせたい。 それが経済活性化や、個人の財産づくりにつながっていく。

そのための人参として、税優遇措置をぶら下げて個人や家計に投資を促そう。 そこまではいい。

問題は期限をつけていることだ。 NISA だと5年、積み立てNISA だと20年という年限をつけている。

期限をつけると、その期限までに売って利益を確定し、税の免除を受けよう。 そういった考えが、前面に出てくるのは自然である。

その考えが、本末転倒を招いてしまうのだ。 NISA でいえば、5年以内に売却して、税優遇を受けようとなる。

それでは株式の短期売買主体の投資慣れした個人が喜ぶだけだ。 彼ら彼女らからすれば、せっかくだから利用しない手はないとなるわけだ。

一方、これから投資を考えてみようという個人や家計は、もたもたしている間に、1年や2年はすぐたってしまう。

せっかくの NISA も残りは3年とか2年の税優遇措置となって、短期の投資を煽ることになりかねない。

積立て NISA の20年はもっとひどい。 長期投資していると実感するのが、15,16年後あたりから複利の雪だるま効果が効いてきて、資産形成がグーンと加速することだ。

これからがすごいぞとなってきた段階で、税優遇に誘われて売却に走るなんて、もったいないもいいところである。

一刻も早く、NISA も積立て NISA も無期限の税優遇措置にすべきである。

その分の税収入は捨ててでも、一定額の制度だから、ここは眼をつむろう。

それよりも、この人参が効いてきて膨大な預貯金マネーの10%でも20%でも投資運用にまわるようになったら御の字である。

90兆円とか180兆円もの巨額資金が、投資運用を通して経済の現場にまわるのだ。

日本経済はいくらでも活性化するし、国の税収も大きく伸びる。 そのきっかけづくりが、NISA や積立て NISA となれば、最高ではないか。