昨年あたりから、投信の評価でKPIという指標が出回りだした。
これは、投信顧客のうち、プラスになっている人たちは何%あるのかという数値指標である。
この評価、案外とややこしい。 各ファンド毎のプラス顧客の%数字なのか、投信会社全体でのプラス顧客をみるのか?
いつの時点の%なのか? それらをあやふやにしたまま、数字だけを一人歩きさせると危険である。
たとえば、3月末でのKPIの%を横に並べて、その数字だけで良いファンド、ダメなファンドと評価を降していいものか?
同じ3月末でも、過去5年とか10年を時系列に並べて、安定的な高さを評価するのか? これだと、ごまかしは利かない。
このように、KPIにもいろいろな評価の基準があるので、利用方法を気をつけないと投資家の誤解を招くことにも。
たとえば、一時の高KPIを大々的に宣伝して顧客資産獲得にはっぱをかけたものの、翌年のKPIはズタズタだったとか。
ともあれ、これまでの日本の投信のほとんどは、その時の投資テーマで大量販売を狙ったものばかり。
テーマが終われば、成績悪化で解約が続出し、後は野たれ死に状態となるだけ。
この繰り返しを延々と続けてきた結果、投信ファンド数は6400本を超えていった。
そういった、野たれ死にファンドにおいては、残っている投資家顧客のほとんどがマイナスの成績にあり、KPIもなにもあったものではない。
ようやく最近になって、金融庁の強力な指導もあって、顧客にとってプラス、つまりKPIの考えが意識されだしたところだ。
また、投信業界全体に押し寄せてきているトレンドとして、自分年金づくりに資するようなファンド設定が求められ始めている。
投信業界がどこまで自己改革できるかは、彼らのこれからを見守るしかない。 願わくは、まともなKPI評価が普及してくれること。
すなわち、5年はおろか10年20年の時系列で並べて、どれだけ安定的に高KPIを残しているかだ。
そう、投信の評価で一番は、長い時間軸で高い成績を残しているかどうかだ。
その点、さわかみファンドは間もなく20年の歴史を刻もうとしている。 この重みは、他のどのファンドも敵わない強みである。