年金の将来も、国の財政も、このままで大丈夫なのか? 考えるまでもなく、このままではマズイ。
庶民感覚でマズイといっているのか? 否、国が出している一般情報をみても、「このままでは、マズイぞ」と判断できる。
ところが、国は「なんとかなる」という方向で、現在の政策を変えようとしない。
それならそれで、なんとかなると信じる根拠を国民に、ていねいかつ正直に説明すべきである。
もっとも、役人の作文では困る。 彼らはいつでも現状の踏襲を是とし、そもそも改革を好まない。
だから、なんとかなるという方向で数字を並べて、「このままでも大丈夫」だと言い張る。
それを受けて、国民の多くは「まあ、国のやることだから、黙ってついていこう」と、それ以上は考えずに従ってしまう。
ここに、問題の根っ子がある。 「このままで、本当に大丈夫なのかな」と思いつつも国の政策に従ってしまうから、どうしても不安感のようなものがついてまわる。
日本の現状は、そんなところだろう。 年金や財政のみならず日本の将来に対しても、国民の不安感はかなり高まっている。
そのあたり、国際的な調査で自分の国の将来を信じるランキングにもはっきり出ている。 日本人は世界でも驚くほど下位にランキングされている。
それでいて、日本の国民の多くは、一刻も早く抜本的な解決のメスを入れなければとまでは考えない。
まさに、いまこそ本物の政治家の出番である。 日本の現状を正直に語り、痛みを伴う改革を誠実に訴えてもらいたい。
きちんと改革の方向と、その出来上がり図を国民に示し、これこれの荒療治をします協力してくれと訴えるのだ。
具体的には、消費税を年金税に改めて、20%に引き上げる。 年金税をベースに、65歳以上の国民全員に月25万円の年金を給付する。
現在の年金給付額はそのまま上乗せし、現役層のここまでの年金積立て分は65歳になってから上乗せすることで、一切の不公平は生じさせない。
同時に、マイナンバーを徹底させ、すべての国民の収入状況をコンピュータ把握して、所定の税率で税を徴収する。
これでもって、税の徴収の不公平はなくなるし、低所得層への生活保護も公正に実施できる。
当然のことながら、年金の徴収も運用も不要となるから、厚生省や年金管理運用独立法人も大幅に業務を整理できる。
また、年金運用に向けている資金は国庫に移して、国の借金の減額にあてる。
これだけのことを一気にやってしまえば、年金や老後の不安は一掃できるし、予算の33%を占める社会保障費の大半も削減できる。
ということは、国の予算における財政赤字分のほとんどが解消してしまう。 つまり、新規国債の発行はゼロにしてしまえるのだ。
一時的には混乱するだろうが、3年もすればすべてが新しい軌道に乗ってくる。
そして、日本は未来永劫に年金問題で頭を悩ますことのない、財政も健全化に向かう国になってしまうのだ。
老後不安のなくなった高齢者層では、預貯金を抱え込む必要がなくなり、その多くが消費や寄付などに向けられる。
それが、日本経済の活性化に直結していく。 どうだろう、思い切ってやるだけのことだがね。