日本語のオペラ制作に入った

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ずっと前から準備してきた、日本語のオペラ制作が、いよいよ公募の段階に入った。

日本語のオペラだから、台本は日本で公募する。 その先の作曲は、全世界に向けて公募だ。

これまで日本で数々のオペラが制作されてきたが、作曲も日本人だったため、どうしても日本的なものになってしまう。

日本人の感性だと、すごく心に響くアリアや音楽なんだが、どこまで世界の人々に愛されるかというと、いまいち。

好例が、フランス語で唯一のオペラといってもいいのが、カルメンだ。 カルメンのあの歌や音楽、世界中の誰もが知っているし、口ずさんでいる。

オペラの真骨頂である、人間の愛憎や喜怒哀楽をどこまで華やかにかつ哀愁をもった音楽で表現するか。

したがって、しっかりした台本を公募で数本選定し、それを英訳伊訳して世界に音楽を公募するという段取りである。

ようやく、ここまで来たので、さわかみオペラ財団のHPに募集要項を昨日アップしたという次第。

ともあれ、さわかみオペラ財団では数年前から、どんな内容のオペラにするかの構想を温めてきて、それをプロットに仕上げた。

プロットを仕上げるにも、半年以上かかった。 テレビ制作の仕事をしてきた角田さんの応援を得て、これは面白いぞというものになった。

演目は「MITSUKO」で、クーデンホフカレルギー伯爵夫人光子さんを題材にした。

大学の卒業論文が、「EECの統合に向けて」だったが、いまのEUにつながるヨーロッパ統合を提唱したのが、リヒャルト・クーデンホフカレルギー伯爵である。

そう、光子さんの次男がヨーロッパ統合の父であり、世界平和を訴え続けた。 さもありなん、光子さんの生涯は民族の融和や文化の融合を地でいっている。

それだけではない。 日本人で初めての国際結婚、それも当時の世界を支配していたハプスブルグ家の伯爵夫人となった。

そんな光子さんは、有名なオペラ「蝶々夫人」とは違った次元で、日本人女性を誇りをもって世界に紹介できる。

台本の応募締め切りは5月末。 そこから先は、優秀作品を5点ほど選び、英訳伊訳して世界に向けて音楽を公募する。

同時に、プロのナレーターに候補の5台本を音読してもらったものを、作曲希望者に日本語の音感として提供する。

さあ、どれだけ素晴らしい台本が届けられるか、ワクワクしながら待つとしよう。