昨日は、パルシステム神奈川という生協主催セミナーと、レオス藤野社長との対談で、一日があっという間だった。
主婦向けセミナーは200名を超す参加者で、2時間では全く足らないほどの盛り上がりだった。
より良い社会をつくっていこうという考え方、消費者のお金のつかい方で社会がどう変わるか。
そして、長期投資の意義とその先に広がる世界について、をテーマとした話を1時間。 その後は、どんな質問でも構いませんよという構成。
次々と質問の手が上がったが、どの質問も「お金に働いてもらおうよ」は納得した上でのものがほとんど。 すぐにでも行動に移ってもらえそうなテンポの良さだった。
このあたりのテンポは、男にはないスピード感である。 男の場合は、どうしてもああだこうだと理屈をこねまわしたがる。
ところが、女性は「そうね、やってみよう」と、ストレートに反応してくれる。 直感に近い納得感で、行動に移るのが早い。
長期投資の場合、難しい理論やテクニックなどよりも、「この会社、なくなったら困るよね。 だったら、応援しようよ」で、もう十分もいいところ。
生活者として、消費者として、「どんな会社を応援したいの」を、推し進めて行くだけで長期投資になってしまう。
応援したい会社を絞り込んだら、そこから先は「皆が売って安いところでは応援買いに入り、みながガンガンに買ってきたら売って利益確定する」リズムを身につけていくだけでいい。
結果として、安く買って高く売る投資の基本が、ごく自然体でできてしまう。 その繰り返しを重ねていけば、財産も積み上がっていく。
大事なのは、そこから先である。 尻上がりに加速していく財産づくりの一部を、カッコ好く世の中につかっていく段階に入っていきたい。
その勉強は、ものすごくやりたい。 もちろん、楽しくだ。 どんな世の中にしていったら、どんなに素適だろうという思いや夢を一杯乗せてやろう。
そういった方向での質疑応答だから、参加してくれている主婦の方々も、こちらもどんどん熱気を帯びてくる。
夕方からは、一転して長期投資の対談。 ここで面白かったのは、藤野君にしてもこちらにしても、投資の心構えというか発想の根っ子を語ろうとする。
マーケットの変動に対しても、われわれは「どうなるだろうか」で決めつけない。 「どう転がっても構わない。 とにかく柔軟に対応しよう」とする。
ところが、新聞の方は書こう書こうとするから、どうなるかの読みを聞き出したい。 この食い違いが面白かった。
途中からは、藤野君が投資家としての視点をどんどん語り、新聞の方はなんとか記事になるよう質問する。
その掛け合いが、なんとも面白く、こちらはニヤニヤと聞き手にまわった。
このギャップが、個人投資家も含め世の投資家一般を惑わすことになるのだろうなと考えながら。
われわれ長期投資家は自分の投資スタンスをもっている。 ところが、世の多くの投資家は新聞報道を材料にして、投資判断するケースが多い。
その結果として、「投資は難しい、リスクが多い」となってしまうのだろう。 気の毒なことよ。