昨日は名古屋で、「ジャパン・オペラ・フエスティヴァル2018」の出陣式ともいえる、ウェルカムパーティーをやった。
リハーサル後なので、夜の9時過ぎからの開催だったが、壮観だった。 イタリアから200人ほど、日本から50名ほどの参加。
来れなかったのは、名古屋城で舞台設営の突貫工事をしている50名強。 台風で舞台や照明塔の工事ができなかったので、明日からの公演に向けて大わらわ。
これだけの顔触れを見ていると、オペラって本当にお金がかかるなあと、つくづく感心してしまう。
舞台に立つ指揮者や歌手、それに演奏家たちだけではない。 裏方で働く人も一杯いる。
たとえば、コレペチといわれるピアノ伴奏家がいる。 彼や彼女は表舞台には出てこないが、歌手の歌の調整から舞台裏で影演奏の指揮まで、なんでもこなす。
歌劇場でも No. 3 か No. 4 の地位にあり、イタリアではマエストロと呼ばれ極めて重要な役割を果たす。
あるいは、舞台製作の担当者たち。 一般的には大道具、小道具といわれるが、皆オペラが好きなんだなと思わさせられるほど、遅くまでよく仕事する。
実に多くの人たちが参加して、一晩のオペラをつくり上げているわけだ。 主宰する側だからよくわかるが、一人ひとりの収入は、それほど高くない。
やはり、好きなんだろう、彼ら彼女らにとってオペラに携わることが。 誰かが欠けると、オペラができなくなる。
つらつら考えるに、オペラはお金がかかる。 だからといって、甘えは許されない。 観客に感動を与えられなかったら、彼ら彼女らの自己満足で終わるだけ。
お客様がオペラを観に来てくれなくなったら、たちまち食っていけなくなる。
その厳しさにさらされながら、誇りをもってオペラの仕事をし、オペラとともに生きている。
そういった緊張感が、芸術家たちを鍛えてくれることになるんだなあと、つくづく思う。