ジャパン・オペラ・フェスティヴァル2018の皮切りとして、昨晩はサントリーホールでのコンサート。
今年はロッシーニ生誕150周年ということもあって、世界各地でロッシーニ特集が催されている。
ロッシーニを演奏させたら世界一を自他ともに認めるのが、わがボローニャフィルである。
なにしろ、毎年8月にイタリアはペーザロで開催されるロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルで、ずっと主演奏フィルの座を守ってきているのだから。
そんなわけで、昨晩の前半はロッシーニ特集をやったが、なんともいえない味のある演奏で聴衆を魅了した。
後半は、ボローニャ生まれでイタリアが誇る作曲家マルトゥッチとレスピーギの作品を3曲やってくれた。
ボローニャフィルによる演奏は、いつ聴いても凄いの一言。 なんともいえない響きのやわらかさ、なめらかさ。 それでいて、迫力は十分。
なによりも、彼らの演奏は人間味にあふれている。 機械的な正確さを求めると、どんなにレベルの高い演奏でも、どこかガチガチの固さが耳に残るもの。
ところが、彼らの演奏はスーッと心に浸み込んでくる。 まったく乱れのない演奏は、彼らのレベルの高さを物語っているが、そんなのはどうでもいい。
なんとも心地よいのだ。 そんな、ボローニャフィルと仲良くやれるのは、さわかみオペラ財団にとっては、とても幸せなことである。
彼らと、きわめて人間的な付き合いができているし、どんどん信頼感が高まっている。
ひとつだけ、残念なことがある。 それは、我々の力不足で、ボローニャフィルの素晴らしさを広く伝えきれていない点である。
昨晩も、空席の目立つコンサートになってしまったのは、まったく申し訳ないの一言である。
長期投資の啓蒙と同じように、なんとしても広く知ってもらいたい。 本物はいつでも本物である。
必ず、分かってもらえる日がくる。 それも、そう遠くない先にだ。