さわかみファンドは、1999年8月24日に設定されたので、いよいよ20年目に入ってきた。
構想の段階から、50年100年の本格的な長期運用を目指していたから、20年目といってもまだ初期段階といっていい。
そうはいうものの、まともに運用して20年目に入るファンドは、日本にほとんどない。
寿命の長いファンドはいくつかあるが、大半は設定後しばらくしてからは、ひたすら解約じり貧の道をたどってきただけのもの。
そういった、野たれ死に状態にあるファンドのいくつかが、最近ちょっぴり復活しているとのこと。
新ファンドを次々と設定しては、古いファンドからの乗り換え営業で手数料を稼いできたのが、日本の投信業界。
さすがに最近は、あまりの投資家軽視の弊害に対し、金融庁からも厳しい指導が入りだした。
それで、投資家にとってのトータルリターンを公表すべしとか、投資者の利益を重視する方向に変わり始めている。
そういった流れの一環として、細々と生き永らえてきた古いファンドが、担ぎ出さてきたというわけ。
資産流出で消滅寸前だったファンドでも、設定来10何年とかいった営業トークには使える。
10何年とかの長寿でもって、本格的な長期運用ファンドといった印象付けをすれば、十分に営業できる。
営業を受ける投資者からすれば、そのファンドが消滅寸前だったことなど知らない。
相も変わらず商魂たくましい投信業界だが、長寿ファンドを取り上げてくれるのは、ありがとうである。
マスコミなどが長寿ファンドのリストを掲示すれば、名実ともにそのトップに輝くのが、さわかみファンドである。
名実ともにと書いたが、さわかみファンドはこの5年間で2600億円強の解約を受けて、なお3000億円強の資産を誇っている。
それだけ、お客様の信頼をしっかりいただいてきたわけで、他のジリ貧ファンドたちとは全く別物である。
その違いは、大きなマーケット波乱があれば、すぐわかる。 まさしく、2週間前に書いた、疾風に勁草を知るである。
さわかみファンドは、今日から20年目の挑戦に入っていくわけだ。 大いに頑張りたいものだ。
本格的な長期投資でもって、生活者と企業とを結びつける役割を果たし続けながら。