名古屋人はしまり屋だが、お金をつかう時はつかう

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昔から、名古屋は江戸と上方との間にあって、自前の経済圏を築いてきたと言われている。

自前の経済圏? そう、やたらと人に頼まなくて済むよう、しっかり貯め込んでおく。 必要時は、手持ちの資金を投入するという考え方だ。

実際、名古屋企業の多くは堅実経営に徹し、財務基盤も昔から厚めだと定評がある。

それでいて、つかう時はびっくりするほどお金をつかう。 一例は結婚式の支度品の多さと豪華さで、トラックを3台4台連ねて運び込む。

もっとすごいのは、享保の改革時に不況てこ入れ策として、徳川宗春公が芸者をあげてどんちゃん騒ぎをしたことだ。

8代将軍吉宗の倹約令に真正面から反旗を翻したということで、宗春公は蟄居させられたが、名古屋の景気は活況を呈した。

不景気の時は、お金を持っている人が率先してお金をつかう。 それでもって、経済活動を活発化させる。

そういった当たり前を、ごく自然とやってしまう。 これこそが、自前の経済である。

そんな名古屋人気質に、今回あえて挑戦状をぶつけてみた。 名古屋人のプライドに対しての挑戦状だ。

1カ月後、名古屋人が誇りとする名古屋城の天守閣前で野外オペラを、日本でも前例のない6公演する。

日頃から、文化のはざまとか文化不毛の地とかいわれて、いつも東京から京都大阪へ素通りされっぱなし。

それを悔しいと思うならば、9月の6公演を名古屋人で満席にしてみろよだ。 条件はそろっている。

われわれのジャパン・オペラ・フェスティヴァルは、世界5大オペラ・フェスティヴァルのひとつに数えられつつある。

とりわけ、日本が誇る歴史的建造物を借景として、イタリアでも最高水準のオペラを野外公演するのだ。

これは、世界でも唯一無二のオペラ公演であって、海外からの注目度はびっくりするほど高い。

その6公演を満席の大成功に導いたとなれば、名古屋人の文化水準の高さを世界に発信できる。

名実ともに、お金のつかい方が名古屋人にピッタリのはず。 さあ、本番まで1カ月を切ったが、ここからのチケット販売どこまで伸びるか、興味津々である。