貿易戦争?関税引き上げ?保護主義?

Browse By

米中の関税引き上げ競争や、一部の国での保護主義的な傾向といった報道が、連日紙面を賑わしている。

その発信源ともいえるトランプ氏の、米国第1といいながらも選挙に勝つことしか考えない超短視野の政治は、さてさてどこまで続くのだろう。

中国のみならず海外からの安い輸入品が入ってこなくなれば、いずれ米国の物価全般は上昇し、国民生活を圧迫する。

それでも、保護主義で競争力の劣る国内産業を優先し続ければ、そのうち物価高騰でインフレの火が燃え広がろう。

となると、政策金利の引き上げと長期金利の急上昇は避けられない。 それが、経済活動の縮小を招き、保護してきた国内産業にも打撃となる。

一時的にしろ景気に水を差したり、雇用にも影響が出てくる。 その段階で、まだトランプ氏が政権を握っているのかどうかは知らない。

はっきりしているのは、政策の大きな変更を余儀なくされるということ。 すなわち、保護主義の限界を改めて認識することになる。

やはり、自由貿易体制をさらに進め、世界全体が豊かになっていくことで、自国も潤うとする論理が一番である。

日本の農業を見るまでもなく、保護主義は衰退につながるしかない。 競争の中でこそ、淘汰と適者生存の論理が働き、企業や産業界でイノベーション(自己革新)が進む。

われわれ長期投資家にとっては、自主独立の経営を推し進める企業を選別する、格好の環境が整いつつあるのだ。