短期利益最大化しか考えない株主と、その雇われにすぎないプロ経営者とやらが、企業経営のみならず社会をも目茶苦茶にするケースが増えている。
ある企業を儲かる会社に仕立て直し、株価を上げたり配当金を増やさせるには、どんな手でも打ってくる。
その一例が、儲かっていないとか経営の重荷となっている工場を、ただその理由だけでもって閉鎖したり事業撤退しようとする。
プロ経営者からすれば、資本配分の効率化を進め株主利益の最大化を狙っているにすぎない。
ところが、その工場の従業員や家族、出入り業者や地元の商店街にとっては、生活基盤を根こそぎ取り上げられることになる。
地方だと自治体の税収入にも大きなマイナスとなり、地方経済はガタガタになってしまう。
冗談ではないよといったところで、それは東京の本社が経営効率化の一環として決めたこと。
資本の論理を背にした経営判断に対しては、地元の声など届かないし、情け容赦もない。
そういった事態は、いつでもいくらでも起こり得る。 まさに、明日は我が身である。
どうしたらいい? みなで生活者株主となって、その工場の存続を守ればいい。
短期指向の株主に対し、生活者株主が真っ正面から資本の論理を突きつけてやればいい。
自分の高給やボーナスしか考えないプロ経営者とやらを追い出すことも可能である。
もちろん、生活者株主の利益につながるべく、その工場の経営効率化を皆で力を合わして頑張ればいい。
われわれ長期投資家からしても、そういった生活者株主の行動は大賛成であり、いくらでも一緒に行動できる。
資本の横暴とか資本主義の終焉とかいわれるが、生活者株主の登場で事態は簡単に改善できるのだ。