働き方改革で過労死をなくすとか、サービス残業の撤廃とかいわれると、誰も異を唱えられない。
しかし、そういった表現が猛威を振るっている横で、日本人全般の活力がどんどん削がれている面は看過できない。
振り返るに、1980年代から現在に至るまでずっと日本人は働き過ぎだ、休みを取れ休みを取れと国を挙げて大合唱してきている。
当時は、強すぎる日本経済に対し、世界からエコノミックアニマルと言われた。 それを避けるため、すこし働くのをスローダウンしようといったところだった。
ところが日本は、とりわけ役所はひとたび方向が定まった政策は後生大事に守り、むしろどんどん徹底しようとする。
それが働き方改革法案とかになってしまう。 文言だけをみると、ワークライフバランスとかまさにその通りであろう。
でも、大局的な見地からみれば、大いに疑問である。 国民が働かなくなって栄えた国など、歴史上どこにもない。
それなのに、日本はこの40年ほど国を挙げての働くな働くなの政策をおしすすめてきた。 結果、日本経済というか日本人の活力はずいぶんと落ちてきている。
このままではマズイと判断し、あやまった政策の方向を正すのが政治家の仕事である。 それが、さっぱり見えてこない。
そもそもからして、働きたい人は好きに働けばいいし、ゆっくりしたい人はマイペースの生活を守ればいいだけのこと。
国が、あれこれ口出しする方がおかしい。 ましてや国民を弱体化させる政策を押し付けるなど、無責任きわまりない。
ともあれ、われわれは常に活力ある生き方を心掛けよう。 精神的、肉体的に柔な人間が増えれば増えるほど、優位な立場で生きていける。