昨日の NY 株式市場は長期金利の上昇懸念で、再び1000ドルを超す下げとなった。
日本でも株式市場のみならず経済界全般に、金利上昇を警戒する声がじわじわと高まっている。
われわれ長期投資家は懸念や警戒どころか、金利正常化への流れが始まったと、むしろ大歓迎である。
大体からして、超低金利やマイナス金利なんてものが異常である。 まともな経済活動からは逸脱して、バブルを醸成するだけのこと。
現に、先進国中心に不動産や株式はバブル化症状を見せていた。 とりわけ株式市場は大量の資金流入で、すさまじい高値追いを続けてきた。
この1週間の株価暴落は、異常なまでの金融緩和と超低金利に対し、自律的なブレーキがかかってきてのもの。
そもそもは、世界的な金融バブルの崩壊を受けて、先進国中心に史上空前の金融緩和に走ったが、それはあくまでも緊急避難措置であった。
銀行の不良債権処理などが進み、世界経済も持ち直してきたから、ダブダブの資金供給や超低金利を是正しようという動きが出てきて当然のこと。
米国の中央銀行である FRB や、ヨーロッパ中央銀行が金利正常化に動き出したのも、その流れの一環である。
では、ここからどういった展開となるのだろう? 持ち直してきた景気を冷やさないよう慎重に配慮しながらも、先進国では金融の引き締めと金利上昇の道を模索していこう。
ひとり日銀は相変わらず大量の資金供給とゼロ金利政策を続けている? いくら日銀といえども、世界的な金利上昇機運には抵抗できない。 日本の金利も世界に連動して、放っておいても上昇していく。
となると、バブル企業は無論のこと、金利上昇に経営が圧迫される企業群は、押しなべて厳しい環境に追い込まれよう。
その横で、人々の生活に根付いたビジネスは、何の支障もなく続いていく。 むしろ、バブル企業やゼロ金利で暴れている企業群が脱落していくことで、商売全般がすっきりしてくる。
そう、われわれ長期投資家にとっては何の違和感もない展開となっていくのだ。 だから、大歓迎と冒頭で書いたというわけ。