今年も最後の週に

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1年が過ぎるのが、本当に早い。 今週で今年も終わりだが、一体どれだけのことができたのだろうか。

われわれ長期投資家は、アベノミクスが始まるよりもずっと前から買い仕込んできたから、その成果をたっぷりと享受してゴキゲンそのものである。

最近になって株式投資に前向きの流れが強まってきているが、それは大歓迎。 こちらは毎日のように含み益が膨らんでいくのを楽しむばかり。

最高の展開というよりも、こうなって当然と余裕しゃくしゃくで、長期投資の旨みを満喫しているわけだ。

しかしだ、われわれ長期投資家はゴキゲンとしても、世の中はどうだろう?

ずっと長期投資の啓蒙を続けてきているが、どれだけ多くの人々に浸み込んでいっているのだろうか?

セミナーなどを通して、長期投資の良さはずいぶんと知ってもらっている。 長期投資する人も、かなりのスピードで増えている。

それでも、個人の預貯金は859兆円と、1845兆円の個人金融資産の46.6%を占めている。(日銀速報 2017年9月末)

資産運用としての株式投資が107兆円に過ぎないから、その8倍の金額が年0.01%にしかまわらない預貯金に眠っているのだ。

東証に上場している銘柄の平均配当利回りが、年1.82%もあるのを考慮しても、なんとも詰まらない個人や一般家計の資産運用状況である。

昔からの貯蓄信仰がいまだに岩盤となっているのを、さっぱり突き崩せずにいるわけだ。

いつも書いているように、859兆円の潜在的な力は巨大である。 たった1%でも、寄付なりなんなりで経済の現場にまわってくれれば、それだけで日本経済は1.7%の成長を遂げるのだ。

個人の預貯金マネーは途方もなく巨大なパワーを持っているが、その力を生き埋め状態にしているのが貯蓄信仰である。

なんとしても、預貯金ツンドラ(永久凍土)を溶かし出したい。 それが、新年に向かっての挑戦課題である。