連休の谷間に、株価の谷間を考える

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 毎年5月の連休時には、日本の株価が狙い撃ちされて下げる。 どの投資家も連休に入る前には、休んでいる間になにが起こるか知れないからと、投資ポジションを下げておこうとする。

 日本の投資家が買いよりも売りを優先するのを良いことに、売りを仕掛ける連中は株価の売り崩しをかけてくる。 それが、連休前の相場暴落である。

 連休中も海外の市場は動いている。 なにか新しい展開が出ていたとしても、日本の投資家は手も足も出ない。 連休が明けたら、大慌てで新しい事態に対応しようとする。

 たとえば、昨日カナダの山火事を機に原油の代表的な先物指標である WTI が47ドル台まで急伸した。 この先どうなるかは金曜日の市場動向次第だが、来週からの連休明けの日本株市場にも影響は出るだろう。

 ざっと、こんな感じが毎年のパターンで、連休明けの株価は上昇トレンドを追うケースが多い。 なんてことはない、ゴールデンウィークという季節要因の前には下げ、休みが明けると大きく戻すだけのこと。

 相場なんてこんなもので、そうしゃかりきに追い回すこともない。 なにかの材料で上がったり下がったりするだけのこと。

 それよりも、しっかりと長期投資を続けていくことだ。 先ずは、5年10年の時間軸でずっと応援したいと思える企業を見つけ出す。

 そして、なんらかの加減で株価が大きく下げるのを待って、応援の気持ちを込めてその企業の株主になる。 買った後は、相場が上がろうが下がろうが気にすることなく、どっしりと応援株主であり続けるのだ。

 そのうちどこかで、株価が大きく噴いて「にわか応援団」が続々と顔を出してきたら、彼らに応援を任そうと少しずつ売り上がっていく。

 どうせ、にわか応援団なんてちょっとした悪材料ですぐ売ってくる。 彼らが大慌てで売ってきたら、再びわれわれ本物の応援団の出番となる。

 この繰り返しを淡々と続けるのが、長期投資である。 ずっと同じ企業を応援し続けるが、株価下がった時はどんどん買っておき、大きく噴いたら薄く薄く売り上がって、利益確定をしておく。

 長期投資家にとって利益確定以上に大事なのは、次に大きく下がった時に応援買いを入れるための資金づくりをしておくことだ。

 変転きわまりない相場に対し、長期投資家はゆったりとしたリズムで、企業の応援投資を続ける。 その過程で、長期投資の利益は後からどんどん積み上がってくるというわけ。

 皆さん、連休も後半だが、このあたりのところを今一度じっくり考えてみてください。

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 ★注意 上記の内容は澤上篤人個人の見解であり、さわかみ投信株式会社の考えおよび「さわかみファンド」の運用を説明しているものではありません。 個人の真意を尊重するため、原則、文章の修正はせずにブログを公開しております。