熊本そして大分の皆さん、ゴールデンウィークどころではないと思います。 いまだに余震が続くと、気持ちがどんどん萎えていくのは、どうにもならないのが辛いですね。 それでも、とにかく頑張ってください。
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一方、最近パナマ文書というのが騒がれているが、これは天変地異などの災害に苦しむ人々とは、ウンザリ感がちょうど対極にある。
5月半ば頃には、パナマ文書の全リストが公表されるらしいが、それに絡んでいる人達はいまごろ戦々恐々としていることだろう。 とはいえ、パナマ文書として情報が漏洩した法律事務所は中堅規模らしく、今回は氷山の一角が表面化するにすぎない。
タックスヘブンといわれる国々を利用すると、節税なのか脱税なのか線引きはグレーの部分が多い。 そういったビジネスにかかわる銀行や弁護士など専門家は、実に巧妙に各国の法律や税制の違いを巧妙に突いてくる。
いつの時代でも、ただひたすら私財をため込もうとする人々の自分中心さには、いい加減にしろよといいたくなる。 タックスヘブンの国々も、世界の金持ち相手に結構な商売をしている。
彼らには社会性とか倫理観とかの意識よりも、お金がすべてという価値観を絶対視する。 もちろん、国など信用していない。 そういった彼らを相手に商売している銀行や弁護士も、やはり儲かれば良しの一言。
長いこと、お金を持つに相応しい本当のお金持ちを相手とした、プライベートバンキングの仕事をしてきた。 そこでお付き合いした富裕層は人種がまったく違う。
こちらは、お金は天下のまわりものという意識が強い。 自分の資産は、世の中のためにお金をまわさせてもらうために、お天道様からお預かりしているだけといった考え方をし、淡々と実践している。
当然のことながら、税金も納めるのが社会の一員としての義務とばかり、きっちり支払っている。 税金など払うものはしっかり払った上で、堂々と長期投資で資産を殖やしていくのが彼らの美学である。
ここまで書いてくると、いつもの「長期投資をやっておこうよ」に話は収斂してくる。 われわれの長期投資は、間違っても自分さえ良ければではない。
より良い世の中をつくっていこうよで、お金をまわさせてもらう延長線上で、自分も良くなるという考え方をする。 社会があってこそ、自分や家族の生活もあるのだ。
綺麗ごとというなかれ。 時代の変遷の荒波を乗り越えて静かにかつ堂々と生きてきた、本物のお金持ちはみな社会意識が強い。
逆をいえば、だからこそ大きなファミリーアセットを守り続けていられるのだ。 私財をため込むだけの人達は一時の金持ちで終わってしまうケースが多い。
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