そんなにノウハウをさらけ出して、いいんですか?

Browse By

 新しい出版の企画で、まだ打ち合わせの段階だが、昨日は話し合いが盛り上がった。 出版といっても、9月の終わりから取り掛かって、12月初めに書店に並ぶ段取りである。

 今回も、前半の第1章から第3章までは自分が、後半の第4章から第6章までは草刈が担当する。 自分の担当は、いつもの通り長期投資の考え方を述べる。

 購読者イメージが20代30代と若い人たちだから、これまで投資なんかしたことないといった層も含む。 したがって、わかりやすい展開で誰もが長期投資したくなるようなものにしたい。

 おもしろいのは、さわかみ投信の最高投資責任者で、さわかみファンドを運用している草刈の担当部分。 それで、昨日は笑ってしまった。

 第4章は、長期投資の実践についてだ。 長期投資する企業をどう選ぶかを、いろいろな角度から具体的に書いていく。

 そして、第5章では「さわかみファンド」が実際にどう企業を選び、どう運用しているかを過去にさかのぼって、ていねいに説明する。

 そう草刈が言ったら、出版の担当者が「そこまで全部さらけ出して、構わないんですか?」と叫んだ。 運用者が運用の中身をさらけ出して、大丈夫なんですかと尋ねてきた。

 瞬時に草刈も自分も大笑い。 「まったく問題ないですよ。 長期投資の実践について全部さらけ出しても、実際の暴落相場を買えるかどうかは別問題なんですから。」

 多くの投資家は暴落相場で買おうなんて行動はとれない。 損しそうだ、儲かるかどうかわからないの損得勘定で頭が一杯となり、せっかく学んだ長期投資の実践など、どこかへ置いてきぼりとなってしまう。

 つまり、ノウハウとやらをさらけ出したところで、なかなか実践できないのが人情である。 とりわけ長期投資においては、なかなか真似できない。

 そこで大事になってくるのが、世の中から無くなっては困る企業を応援する意識だ。 これぞ長期投資のバックボーンとなるものだが、その意識を欠いては長期投資の実践の勉強も「仏作って魂入れず」となってしまう。

 12月に出る新著も、そのバックボーンをこれでもかこれでもかと繰り返すことになる。