中国懸念 vs 夏枯れの買い場

Browse By

 前から書いているように、夏枯れ相場におけるバーゲンセールがやってきたと思われる。 みなが夏休みに入るこの季節は、市場参加者が極端に少なくなる。

 とりわけ、休みの間に何が起こるか知れないという懸念から、買いを出そうという投資家はほとんどいなくなる。

 そんな状況下で、ほんのちょっとした悪材料が出るや、株式市場はびっくりするほどの下げとなるケースが多い。 なにしろ、買い方がいないのだからどうにもならない。

 今週に入ってからの中国懸念もそうだ。 中国株の下落が続いているのを阻止しようと、中国政府は剛腕を振るって市場介入してきた。

 このまま株価下落を放置しておくと、国内消費を減速させ中国経済の成長スピードが落ちかねない、それを警戒してのことだ。

 中国政府は強引な株式市場介入でも足らないと見たのか、今度は人民元の引き下げの手を打ってきた。 それも、二日連続でだ。

 一方的に為替レートを切り下げて、なにがなんでも輸出を促進させようとしている。 中国政府はそこまでやるのかということで、中国経済の悪化懸念が高まり、世界の株価が大幅下げとなった。

 まあ、こんなところか。 いつでもマーケットは過剰に反応する。 それをマスコミは忠実にというか、輪をかけて過剰に報道しようとする。

 われわれ長期投資家は、そんなものに踊らされてはいけない。 すこし冷静に考えてみよう。

 中国経済が減速するといっても、いわれていた7%成長が難しくなっているかなといった程度。

 それでも、世界第2位の巨大経済が6%とか悪くても5%台の成長は続くわけだ。 世界経済にとっても、引き続き大きなプラス材料であることは変わりない。

 また、中国の曝買いがトーンダウンするといっても、一時的なマイナスはあったところで、世界的にみて巨大な需要は続く。

 なにしろ、中国13億5千万の人々が豊かな生活というものを知ってしまったのだ。 さらに豊かさを求めることはあっても、昔の貧しさに戻ることはありえない。

 ということは、今後も中国の需要拡大は世界経済にとって大きなプラス材料であり続けるわけだ。 もちろん、多くの企業にとってはビジネス拡大のチャンスである。

 次に、火元の中国株式市場はじめ世界的に株価は暴落しているというが、売っている投資家の大半は儲かりそうだと飛びつき買いしてきた連中である。

 儲かると読んだ思惑が外れて、大慌てで売り逃げに走っているわけで、市場ではよくある話。 それを上昇相場のスピード調整とか値固めという。

 飛びつき買いしてきた投資家はいずれ売ってくる。 その売りが、いまドサッと出てきた。 ということは、将来の売り圧迫要因が減るわけで、ここからの株価上昇にはプラスとなるのだ。 

 マスコミは株価が暴落しているという現象を大騒ぎする。 われわれ長期投資家は将来の売り圧迫要因が減った、絶好の買い場が到来したといってバーゲンハンティングに出る。

 さて、読者の皆さんはどちらを取りますか?