これも財団活動

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 これまで、さわかみ一般財団が手掛けてきた「植林など自然環境の保全」「伝統技術や文化を守る」「スポーツの底辺を広げる」「自然エネルギーの開発普及と地域経済活性化」といった支援活動を、今年1月に設立した一般財団法人「お金をまわそう基金」へ移行しつつある。

 移行しつつあると書いたのは、お金をまわそう基金が公益認定を申請しており、年内には認可を取得しようとしているからだ。 そこからだ、本格稼働は。

 お金をまわそう基金が公益認定を受ければ、広く一般から寄付を集めやすくなる。 なにしろ、公益財団への寄付は税控除対象となるから、個人や法人から多くの資金の提供を受けられる。

 さわかみ一般財団の限られた資金では、やりたいこともやれない。 お金をまわそう基金を公益財団化すれば、社会からはるかに多くの資金を集めることができ、いろいろな社会貢献にまわさせてもらえる。

 国や自治体など行政に社会事業はすべてお任せではなく、民間でやれることはどんどんやっていけばいい。 その時、広く社会全般から寄付を集め、その資金を社会にまわしていくといった資金循環をつくれば、いくらだって社会事業を大きくさせられる。

 たとえば個人の預貯金マネーは850兆円ほどあり、その1%でも寄付に回る循環ができれば、8.5兆円の資金が社会貢献活動にまわせる。 すごい金額である。

 寄付する人々は税控除されるから、お金を出しやすい。 寄付を受ける、たとえば「お金をまわそう基金」は、受けた資金の100%を透明性高く社会事業をにまわすことで、誰もが納得する資金循環を確立できる。

 そういった社会的な資金循環を大きくしていくことで、虐待児童のための里親ホームとか、施設の子たちの就学就労支援とか、荒れ果てた山林の手入れとか、いろいろな社会事業を展開できる。

 それと同時に、雇用を増やすことにもなっていく。 なにもしなければ預貯金に眠っているだけの個人マネーだが、ほんのちょっと新しい方向性を与えてやれば、すごく大事な働きをしてくれることになる。

 これら全部が寄付の文化である。