企業の合併、大型化

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すごいニュースが今朝の新聞の一面に踊っている。

個別企業のコメントはしないことにしているから、この大ニュースについてもここまで。

 

こういった企業の合併などでの大型化指向は、今後どんどん表面化してくるだろう。

世界経済のグローバル化が加速しているから、

日本企業も大型化で世界市場での競争力を高めざるを得ないという理由だけではない。

すこし前までの日本では長期にわたって経済の高度成長が続き、

国全体が右肩上がりの三角形の中にあった。

個人も企業もみなが右肩上がりの上昇トレンドに乗っていた。

せいぜい違いがあるとすれば、要領のいい人や大企業は三角形の上の方を驀進し、

ちょっとモタモタ気味の人や中小企業は三角形の下の方に位置しながらも、

それなりに伸びていっただけのこと。

 

企業に限ってみれば、どこも一から始めては時間をかけて大きくなっていった。

大きな右肩上がりの三角形の中にあるから、どんなに小さな企業もなかなか潰れない。

みなが生きていけるから、

企業合併や事業吸収といった優勝劣敗と適者生存の競争論理がなかなか働かなかった。

 

ところが、バブル崩壊と日本経済の成熟化進展で、

これまでの右肩上がり三角形はガタガタに崩れてしまった。

企業はもちろん、銀行までもが簡単に潰れていくのが普通の感覚になってきた。

そうなると、企業経営者はどうやって生き残りをかけていくかを真剣に考えざるを得ない。

自然の流れとして、自主廃業や経営統合あるいは吸収合併などが多くなっていく。

 

これは、一国の経済が急速な発展段階から成熟段階に入っていくと必ず発生する現象である。

 

時代適合力や競争力を失った企業は次々と消えていき、

そこから人材や技術あるいは設備を吸収して生き残り企業がどんどん大きくなっていく。

成熟経済の先輩である欧米諸国には、

日本よりはるかに巨大な企業がゴロゴロしているのは、まさにそういった背景があるからだ。

 

グーグルなんて、わずか10年であれだけ巨大な世界企業になってしまった。

一から築いていこうとしても絶対に無理、

外部から技術者やら組織力やらを、次々と取り込んでいったからだ。

これからは企業の適者生存がますます激しくなっていく。

それと同時進行で、人材の流動化はもっともっと活発になっていく。

まさしく、投資対象企業を厳選する長期投資家の出番である。