最近の新聞記事に株式離れという活字が躍っているのを、しばしば見かける。
経験則的に言うと、そういった時が株式相場の大底となるケースが多い。
第一に、経済情勢が思わしくなく企業収益の見通しが暗いときは、
人々の投資意欲も落ち込むのが普通。
つまり、多くの投資家が株を買うのを見合わせたり、
手持ちの株式を売って現金にしておこうという、リスク回避の行動をとりたくなるものだ。
第二に、現在のように投資環境が悪化しているときは、
どの投資家も安全性の高い資産に資金を集中させておこうとする。
安全性の高い資産となれば、その最右翼は国債購入ということになる。
かくして、国債買いが殺到し長期金利が低下する一方で、
株式投資は敬遠されることになる。
第三に、投資環境があまりに悪いからと、多くの投資家は保有株を手放した。
もう株を持っていないから、株価がさらに下がろうが自分には関係ない。
もちろん、マスコミ関係者は立場上もありもともと株式投資はできない。
それで、みなが株式投資は終わりだ株離れだと好き放題を言うことになる。
第四に、株式市場での売りが出尽くすころには、だから相場の大底と成るわけだが、
もうそれ以上の売り物は残っていない。
そんなところへ、何らかの買いが入ってくると相場は大きく跳ね上がる。
そうなると、売ってしまった連中は持っていない株式が値上がりしており自分は蚊帳の外。
これはマズイと、あわてて買い戻しに殺到する。
そこが、相場の大底となる。
第五に、こう書いてきたのを読んだ人たちから、
経験則やら何やらを懸命に並べているが、どうもむなしい悲鳴に聞こえると、
冷たくあしらわれるときも、やはり大底となる。
さて、いまは上記のいくつが当てはまるだろうか。