この長期投資家日記を書いている14時20分現在、株式市場は下げ幅をどんどん拡大している。
われわれ本格派の長期投資家は、もう既にというか、ずっと前から売り上がりを続けてきた。
だから、すごい下げっぷりだなと感心しながらも、のんびり眺めていられる。
ところが、多くの一般投資家や機関投資家たちは、この先どうなるのかと、さぞや不安顔していることだろう。
いつの棒下げ相場でもそうだが、その寸前まで買いまくっていた投資家の一部が大慌てで売る。
もうそれだけでも、大きな下げとなる。 そして、大慌ての売りが一段落すると、株価は上昇に転じることにも。
まあ、いってみれば時々刻々の株式相場なんて、どう転がるか知れたものではないということだ。
そんな相場に飛び込んでいっている個人や機関投資家は、株価動向に一喜一憂させられるばかり。
もっと落ち着いた、どっしりした株式投資ができないものだろうか?
本格的な長期投資に移ってくればいい。 それには、先ずマーケット追いかけ型の投資を棄てることだ。
われわれと一緒に本当の投資をやると決めれば、経済や金融マーケットの大きな読みが身についてくる。
大きな読み? 具体的に書こう。 世界的なインフレ圧力と金利上昇を甘くみてはいけない。
40年ぶりのインフレということもあって、世界の金融マーケット参加者の多くが未経験の現象となっている。
その間に、世界の株価や債券価格は歴史に例を見ないような長期上昇相場を演じてきた。
長期の上昇相場にずっと浸ってきた投資家や市場関係者たちは、自分たちの経験から離れられない。
それで、インフレは終息に向かう、したがって株式や債券はまだ買えると判断しがちとなる。
幸か不幸か、いまだ世界的なカネ余りは続いているので、マーケットはなかなか崩れない。
それどころか、燃えカスが残っているかのように、株価などはすぐ反転上昇する。
そのような展開に流されることなく、世界的なインフレ圧力と金利上昇の影響が、どう及んでくるのかを考えよう。
この10年余りのゼロ金利と異常なる資金供給で構築されてきたビジネスの大半が、その対象となる。
つまり、株式や債券市場はもちろん、不動産取引からノンバンクといわれる融資活動まで、金利上昇は重くのしかかってくる。
いつどこで、金利上昇による破綻が噴き出ても、おかしくない。 そして、それがあちこちで連鎖破綻を呼ぶ。
多くの投資家や市場関係者にとっては、未経験の暴落相場となっていこう。
想像もしたくないような大混乱の中から、なにがあってもビクともしない実体経済が浮上してこよう。