投資とりわけ株式投資は、個別企業の業績動向や将来可能性を丁寧に分析して、投資判断を下すもの。
その上で、個別企業を厳選した投資ポートフォリオを作成していく、それをアクティブ運用という。
投資する企業を選別するというところに、投資本来のあるべき姿が凝縮されているのだ。
すなわち、そもそも投資とは将来に向けて、お金に働いてもらうことである。
そのためには、どんな将来を創っていくかで、投資家それぞれの夢や思い、そして意思が不可欠となってくる。
また、将来を創っていくといっているのだから、長期のスタンスで構えるのは言うまでもないこと。
ここのところが、株式投資の肝である。 こんな将来を創っていくのだといった思いや意思が、投資に反映されるわけだ。
そう、株式投資するにあたっては、アクティブ運用が原点であり、個別企業を選んで投資するのが当たり前のこと。
なのに、わざわざ冒頭でアクティブ運用の大復活と、仰々しいことを書いた。
理由は簡単で、個人投資家も機関投資家も、いまやアクティブ運用とはかけ離れた株式投資とやらに、どっぷり浸かっているのだ。
ふたつあって、ひとつめは株価を追いかけるをもって、株式投資としていることだ。
株価さえ上がって儲かれば、どんな企業の株式でも構わない。 それは、マネーゲームであって、株式投資ではない。
ふたつめは、機関投資家に多いが、すべての株価をひとまとめにしたインデックス運用をもって、株式投資としていることだ。
たしかに、数多くの株式あるいは全部の株式を、ひとまとめにして長期投資していけば、年5%~10%にまわる。
それが、もう100年以上にわたって証明されている、株式投資の実績である。
したがって、株式市場全体を買うインデックス運用でもって、機関投資家は運用責任を果たせばいいだろうとなる。
これまた、マネーゲームから一歩も離れない。 成績さえ出せれば、後は野となれ山となれで、マーケットに参加しているのだから。
株式投資本来の役割である、将来を創っていくという思いや意思など、かけらも存在しない。
そういったのが、世界の株式投資運用の現実だが、いよいよ足元から崩れだそうとしている。
世界的なインフレ圧力と金利上昇で、カネあまりバブル高してきた金融マーケット全般が破裂するのも時間の問題。
そうなると、ゼロ金利とカネ余りに甘えてきた企業の多くが、淘汰されていく。
つまり、すべての企業の株式をひとまとめにしたインデックス運用は、玉石混交の投資が裏目となって売り地獄をのたうち回ろう。
その横で、しっかりと企業を厳選しているアクティブ運用は、平然とした顔して浮いている。
決定的な違いを、世に見せつけることになる。 これが株式投資なんだと、人々ははっきり理解する。