一般的な株式市場などの暴落相場では、大きく買われてきたものが売り叩きを浴びて、ひどい値下がりとなるだけのこと。
株式市場や商品市場が大きく崩れたなというぐらいの受け取られ方で、2~3週間もすれば世の中もマスコミ報道も落ち着く。
ところが、バブル崩壊ともなると、思いもよらないほど広範囲でマイナス影響が横へ連鎖する。
現在進行中の世界的な金融バブルも、崩壊すれば投資家たちが大きな値下がり損を食らうだけではない。
みなが一斉に売り逃げに走るから、そう簡単には売れないまま価格だけはどんどん下がっていく。
売れ残った投資勘定は、大きな評価損を抱えることになる。 機関投資家であれば、成績の急悪化だ。
バブル崩壊や運用成績の急悪化をみて、投資家顧客は解約に走るが、それが一層の売り叩きを誘う。
ヘッジファンドや企業など、資金を借り入れてバブル投機に踊ってきたところは、もっと大変である。
バブル投機分は大きな評価損を抱え、その一方で返済負担はまるまる残ってしまう。
金融機関からすると、貸し付け案件が不良債権の大量発生へとつながっていく。
それはそのまま、投資家だけではなくバブル企業も金融機関も、みながみな現金化を急ぐことになる。
ちょっと前までのバブル高相場では、あり余った資金でもって高値を買い上がっていたはず。
ところが、バブルが崩壊した瞬間に、あれほどのカネあまりが一体どこへ行ってしまったのかに一転する。
投資家はもちろん、機関投資家もバブル企業も、また金融機関も、みなが現金を欲しがる。
つまり、信用の収縮だ。 そうなると、金利はスルスルと上昇に転じていく。
金利上昇は、バブル企業の借り入れコストを高め、金融機関は不良債権の増加と財のは急悪化に苦しむ。
そこをなんとかしようと、国や中央銀行が一層の資金供給に走れば、いよいよインフレ懸念が高まりだす。
まあ、こんな具合で金融マーケットのみならず、経済全般にも影響が及んでいく。
それらの展開に直面して恐れおののくのではなく、いまのうちから長期投資の路線で対策を講じておこう。
バブル崩壊の荒波から逃れるだけではなく、そこで一気に攻めに入っていこう。 そのためにもだ。