昨日の日本株市場は大きく下げた。 それを見て、皆さんはどんな受けとめ方をしていますか? ここまでの上昇分がまだ残っているなら、その分だけでも利益確定しておいたほうがいいという投資家もいるでしょうね。 あるいは、株価の上昇スピードが速かったから、しばらくは調整局面となるだろうと相場予測しているのかも。
われわれ長期投資家ならば、応援したいと思っている企業の株価が大きく下がったら、なんの躊躇もなく買いに行く。 最近になって株価が上昇に転じたのを確認して、ドヤドヤと買ってきた投資家たちが一杯いる。 その人達が目先の売りに走るならば、それも良しだろう。 こちらは、いくらでも応援の買いを入れてやろう。
一般的に投資家は株価など相場を見ては、買おうとか売ろうと判断する。 ここで買ったら儲かるかどうか、早めに売って損失を最小限にしておいた方が良いかも、といった判断で買ったり売ったりするわけだ。 彼らにとっては先ず相場ありきで、上がったり下がったりの相場動向にどう対応するかが投資と考える。 だから、昨日のような下げには売りを意識することはあっても、買おうなんて誰も考えないのだ。
冷静になってみよう。 株価なんて買う人が多ければ上がるし、売りが集中すれば下がるだけのこと。 その間も、企業のビジネス活動は途切れることなく続けられていて、われわれの毎日の生活を支えてくれている。 さて、どちらに重きを置くのか? 一般投資家として株価を追いかけるか、生活者として企業を応援しようとするのか?
人々の生活に欠かせない企業の株を、ただ儲かるかどうかの判断で買ったり売ったりして、もてあそぶなんて気持ちにはちょっとなれないのでは。 たとえ株式投資で儲かったとしても、それはマネーゲームであって真面目な生活者としては違和感を感じるのでは。
そこに長期投資家の考え方が重要性を増してくる。 一般的な株式投資ではマネーゲームに追われるかもしれないが、そのカウンターとして長期投資家の応援投資がある。 彼らが損したくないからといって売ってくるなら、こちらは全部お引き受けしましょうと応援の買いを入れる。 彼らが儲かりそうだからとガツガツ買ってきたら、しばらくは彼らに応援を任そうと少しずつ売り上がっていって利益確定をする。
どうせ、にわか応援団は目先の儲けしか考えないから、状況が悪くなったらすぐ売ってくる。 そしたら、われわれ長期投資家はやっぱり我々が応援しなくてはと、おもむろに買い出動するわけだ。 長期投資はこの作業を繰り返すだけである。
どちらの方が、より理に適った投資であるかは考えるまでもないだろう。 われわれ長期投資家は相場など追いかけなくとも、安く買って高く売る投資の基本は自然にやれてしまう。 それで十分に投資収益は確保できるし、生活者にとって欠かせない企業の経営は断固として応援し続けられるのだ。
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