長い時間軸で考えよう

Browse By

場当たり的というか、ご都合主義というか、二転三転するトランプ政治に、世界は振り回されている。

マーケットはいつも素早い反応を示すが、最近の暴落や戻しの幅はすさまじいの一言。

それに対し、われわれ本格派の長期投資家はどっしりと構えて、眼前のトランプ劇を眺めている。

どっしりと構えて? そう、あれこれ大騒ぎしているが、10年ぐらいの時間軸で考えると楽である。

先ず、トランプ劇場はせいぜい4年で終わる。 場合によっては、来年11月の中間選挙で大負けして影響力を一気に失おう。

となると、ここから1年半はトランプ政治で世界のマーケットや経済活動をズタズタにすることはできよう。

しかし、その後はレームダック化したトランプ政権は影響力を大幅に失ってしまうことに。

もっとも、憲法での規定を変更して、彼は3選を目指すかもしれないが、それでも8年後には退場する。

次に、関税引き上げの貿易戦争が激化し、1930年代の世界経済ブロック化から第二次世界大戦に突入していった、あの二の舞となるのか。

否、第三次世界大戦に至るまでには、トランプ氏の任期が終わり、次の大統領に政権のバトンを渡す。

そこまで米国はじめ世界経済を混乱させたトランプ政治を、新大統領が踏襲するとは思えない。

おそらく、関税戦争から大きく舵を切って、米国や世界経済を安定化に向かわせるだろう。

つまり、4年後には米国や世界を振り回したトランプ政治の反動で、相当に落ち着いた経済が戻ってこよう。

もうひとつ、熟柿が落ちる寸前となっていた、カネ余りによる張りぼて経済だが、おそらくトランプ時代に吹き飛ぼう。

先週もほんのチョッピリ刃を見せたが、長期金利の上昇という経済合理性の鉄槌は、いまかいまかと待ち構えている。

そう、トランプ政治がマーケットや世界経済を滅茶苦茶にすればするほど、カネ余り張りぼて経済へのダメージは浸透していく。

それが、インフレ率の高まりか、企業などの倒産か、ジャンク債の投げ売りか、どこかで突出する。

突出は長期金利の上昇となって、その影響は世界のマーケットや経済全般に及んでいく。

すると、以前から書いているように、株式市場や債券市場はじめマーケット全般が暴落の修羅場となっていく。

企業や金融機関、投資ファンドなど多方面で経営破綻が続出しよう。

それらが、逆説的ながら、トランプ政治の退出を促すことになろう。 カネ余り張りぼて経済を叩き潰してくれたという評価を残して。

どれもこれも、世界経済の健全化には避けて取れない道であり、歴史の大きな転換点となるのだろう。