カネ余りマーケットの果ては?

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いつのバブルも、終わってはじめて「あれはバブルだった」と、みなが認識するもの。

ずっと続いている超カネ余りバブルも、金融技術の高度化やAI化などで洗練された新しい展開だと認識されている。

そこへ、トランプ第2期政権に期待した株式や債券市場の活況が乗っかってきた。

そんな金融マーケットに群がっている人々にとっては、バブルの意識も認識もまるでないのだろう。

しかし、世の中で永久に続く上昇なんてものはない。 いつかは終わるのが、自然の摂理。

ここまで買って買いまくってきたバブルマーケットだ、崩れだしたらすさまじい売りに曝されるのは避けられない。

大半のマーケット参加者が、売るに売れない投資残をたっぷりと抱えて身動きが取れなくなる。

厄介なのは、金融技術の高度化とかで洗練されたはずの投資手法やヘッジ手段などを組成した投資商品である。

それらの投資商品が現物投資に対し、複雑多岐にわたって絡み合って金融マーケットのバブル上昇を支えている。

いざ暴落相場となるや、現物株や債券の投資は売れないは、複雑に絡み合った投資商品はほぐしようがないはとなる。

売るに売れない投資残や、ほぐすにほぐしようがない金融契約の残高を抱えて、金融マーケットは下げをどんどん加速させる。

カネ余りバブルに踊ってきた金融マーケットの成れの果てだが、参加者の多くが巨額の資産デフレに苦しむことになる。

資産デフレ? そう、投資勘定の大きな部分が蒸発したように消え去った一方で、資金調達コストがまるまる残った状態をいう。

そのギャップを、バブルマーケットに参加してきた企業や金融機関そして機関投資家は、なんとしても穴埋めしなければならない。

しかし、暴落マーケットの最中だ、蒸発した資産勘定の穴埋めなどできようがない。

とにかく売れるものは売って現金を確保しようとなるや、暴落マーケットをさらに叩き潰すことになる。

悲惨な展開が加速するばかりとなるが、これらはどれもマーケットに参加してきた当事者の責任で解決するしかない。

しかし、資産デフレの金額が巨大すぎる。 90年代に入っての日本のバブル崩壊では、日本経済の2.2倍から3倍規模の資産デフレが発生したといわれる。

次に来るのは、世界規模の資産デフレだ、どのくらい巨額となるか想像すらできない。

それに対し、先進各国はどこも巨額の債務残高を抱えているし、中央銀行も財務を異常に膨らませたままだ。

世界的なインフレ圧力と金利上昇懸念もあり、各国政府も中央銀行もほとんど打つ手なしの状態にある。

さあさあ、バブルマーケット参加者の当事者責任、どう解決していくのやら。