機関投資家と一緒は、ないよ

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個人投資家、とりわけ資産づくりを目標にしているならば、機関投資家たちと同じ投資行動はしないことだ。

どういうことか? 年金などを運用する機関投資家は、運用成績というものに追いまくられている。

その運用成績も、競争相手達との相対的な成績評価が中心となる。

本来なら年金運用は20年おろか、30年40年先の年金給付のための原資の最大化を狙うもの。

つまり、毎年の相対的な成績評価ではなく、長期投資でしっかりとした資産増加を求められるはず。

しかし、10年たって運用が下手だったでは、年金を積み立てている一般生活者の将来が不安定となる。

やはり、毎年の成績評価をしっかりやって、年金資産の着実な増加を求めるべしとなっていった。

大義名分はそんなところだが、年金運用の現場ではマーケットならびに競争相手からは大きく離れずが主体である。

年金の運用を委託する方も、資金を預かって運用する方も、人の子である。

自分の任期の間、大過なく任務を果たして、給料やボーナスをきっちりと手にしたい。

となれば、下手な投資判断などはせず、マーケット動向にびったりと張り付いていくのが無難となる。

そういった機関投資家の運用姿勢と、個人の資産形成の投資とを一緒くたにしてはいけないのだ。

早い話、この先どこかでカネ余り株高のバブル現象が終わった時、機関投資家たちとの違いが明白となる。

機関投資家たちは、これこれの株価暴落は不可抗力でした、なんとか善後策を講じますといっておけばいい。

なにしろ、マーケットは暴落した、競争相手たちもみな大きくやられているのだ。 不可抗力でしたで済む。

ところが、個人の資産形成投資では、資産が大きく目減りしました、不可抗力でしたでは済まない。

絶対に避けなくてはいけないのは、マーケットの大きな下落を食らわないことだ。

そのためには、早め早めの投資行動に徹する、今だったらこのカネ余りバブル高から一刻も早く離れるべしだ。

投資においては、「安く買っておいて、高くなるのを待って売って利益を確定する」のリズムを絶対に崩さない。

そのためには、機関投資家と一緒になって、マーケットにずっとついていってはいけない。

われわれ本格派の長期投資家と同じように、買うときは買う、売るときは売るの投資リズムを大事にしよう。