米国の長期金利は16年ぶりに5%台に乗せてきたし、ウクライナだけでなくガザ地域での戦闘も懸念される。
金利上昇や地政学リスクが高まっていたりと、投資家にとっては相当な悪材料が出揃ってきた。
普通に考えると、世界の金融マーケットは大崩れに入っておかしくない。
なのに、米国はじめ世界の金融市場は下げ基調を強めているものの、結構しぶとく踏ん張っている。
これは、世界の投資家とりわけ機関投資家が、まだカネ余り上昇相場の余韻に浸っているからなんだろう。
なにしろ彼らは、1982年8月から40年越しの株価の上昇トレンドにずっと乗ってきた。
また、債券市場も83年からの長期金利の下落傾向に見られるように、歴史に例を見ない上昇相場を続けてきた。
そして、リーマンショック以来のゼロ金利と空前の資金供給で、カネ余り上昇相場に拍車をかけた。
そんなわけで、マーケットに対する強気姿勢が、もう日常感覚であるかのようになっているようだ。
とはいえ、世界は70年代から80年代初めまでのインフレと金利上昇を彷彿させる状況となってきている。
それに対し、世界の金融マーケットも機関投資家たちも、状況を甘くみているようだ。
そもそも、機関投資家を中心に、40年ぶりのインフレを経験していない人たちばかり。
だから、現状を甘くみているのも仕方ないのかもしれない。
われわれ本格派の長期投資家からすると、ずっとバブル相場から離れてきたので、気は楽である。
ここは、もういつ始まってもおかしくない、世界の金融マーケットの大崩れを眺めることにしよう。