1987年の10月19日に、史上最大の下げを記録したブラックマンデーが発生した。
米国の株式市場の象徴であるダウ工業30種平均株価は、22.6%の棒下げとなった。
1929年10月の大恐慌の発端となった暗黒の木曜日の下げ幅、12.8%を大きく上回る。
すさまじい下げ幅となった要因は、もちろんとんでもない規模での売りが集中したためだ。
いつの暴落相場でも、その前に大量の買い残高の積み上がりがある。
買い残高の重荷に耐えられなくなっていたところへ、なにか悪材料が飛び出すと、それが暴落の引き金となる。
いま36年前の大暴落の再現となるかどうかは、それこそ神のみぞ知るのところ。
はっきりしているのは、世界が抱える買い残高の重みは1987年当時の比ではないこと。
リーマンショック以来15年間、ずっとゼロ金利と史上空前の資金供給が続いた。
歴史に例を見ないカネ余りで、世界の株式や債券、その他金融商品も野放図に買い上がられてきた。
その結果、それこそ空前の買い残高となっている。 その重みは、いざ暴落がはじまったら、嫌というほど判る。
ちなみに、世界の総債務は世界GDPの3.5倍になっているとのこと。 (国際金融協会)
この10年間で、2.5倍から3.5倍にと、世界GDPの分だけ借金総額は膨れ上がったわけだ。
世界経済1個分の借金でもって、買い上がったものの残高が、いまインフレと金利上昇に直面している。
ずっと前にも書いたが、もういつ熟柿が木から落っこちだしても、おかしくない。
さあ、この先どうなることか。 ともあれ、なにがあっても世界81億人の生活は消えてなくならない。
81億人の毎日の生活を支える企業活動も、一時として止まることはない。
われわれ本格派の長期投資家からすると、大暴落が発生しようと、なにも慌てることはない。
金融緩和バブルに乗って、大量に買われたものが売られるだけのこと。
膨大の売りの津波に押し流されなければいい。 むしろ、すごい買いチャンスとなる。