金利ある世界へ回帰、メガトレンドの変化

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40年ぶりのインフレ台頭と、それに伴った金利上昇は、世界経済に軋みをもたらしている。

10年余に及ぶ金融緩和政策とゼロ金利でもって膨れ上がるにまかせてきた、張りぼての世界経済だ。

そこへ、インフレと金利上昇という実体経済からの刃が突き刺さってきた。

世界中あちこちで、張りぼて経済に穴が開いて、急速にしぼみはじめている。

これから、じわっと効いてくるのが信用の収縮だろう。

カネ余りとゼロ金利で野放図に拡大してきた世界の信用供与だが、それがいよいよ逆回転をはじめるのだ。

すでに、米国の住宅関連ビジネスは、金利上昇の影響が重くのしかかってきているといわれている。

さらに大きな懸念材料は、中国での不動産ビジネス全般の苦境だろう。

不動産業者は資金繰りに苦しみ、融資していた金融機関は不良債権化に恐れおののいている。

中国GDPの30%前後を占める住宅関連ビジネスの低迷は、中国経済の成長率鈍化にもつながっていく。

それもあってか、20数%を超していた大学卒業者の就職難だが、中国政府はその公表を止めた。

日本が90年代に入って陥った、バブル崩壊による長期の経済低迷を中国もたどるのかといった観測も、ちらちらしてきた。

米中の貿易摩擦や、中国の人口減と急速な高齢化で、中国経済の勢いは落ちてきていた。

そんなところへ、信用収縮の圧力が及びだすと、中国経済の運営は重苦しくなる。

ひるがえって日本も、世界的なインフレと金利上昇の波が押し寄せてくるのは避けられまい。

いずれ、ゼロ金利に甘え切ってきた経済の現場でも信用収縮が意識され出そう。

金融マーケットはもちろん日本経済や社会のあらゆるところで、相当に大きな混乱は避けられまい。

そう世界経済も日本も、「金利ある世界への回帰」というメガトレンドの変化に直面しつつあるのだ。

そのあたり、これから折にふれて、しっかり描いていこう。