中野には頑張ってもらわないと

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日本に本物の長期投資と資産運用ビジネスを普及させるには、独立系の投信会社をつくるしかない。

そう考えて、日本で初めてとなる独立系で直販の投信会社「さわかみ投信」を設立した。

悪戦苦闘しながらも「さわかみファンド」を軌道に乗せるや、直販の投信仲間を増やすべく動き出した。

直販の投信が増えれば増えるほど、預貯金一本やりの日本に投資文化というものを広められる。

そういうことで、「おらが町の投信」構想を打ち出して、本気の仲間を集めだした。

全国の各都道府県に、志ある人による独立系の投信会社を立ち上げてもらう。

運用はファンド・オブ・ファンズの形態にすれば、世界の素晴らしいファンド運用を活用できる。

顧客口座管理などの業務全般は、さわかみ投信が築き上げてきた仕組みを参考にしてもらえればいい。

となれば、本気の人が6000万円ほどかき集めれば、誰だって投信会社を立ち上げられる。

これが「おらが町の投信」構想であり、現に大阪で女性二人による「浪花おふくろ投信」が立ち上がった。

また、税理士先生たちによる「ありがとう投信」、鳥取の「かいたく投信」、高校の先生たちを中心とした「楽ちん投信」などが、次々と生まれた。

その横で、金融界の仲間たちが「コモンズ投信」「レオス投信」「ユニオン投信」「鎌倉投信」を立ち上げた。

ところが、金融がらみの法制度の度重なる変更にシステムや業務体制がついていけず、費用は急劇に増加した。

その結果、資本増強に迫られて独立系や直販を堅持することが難しくなって、新規参入が止まってしまった。

そんな中、3番目に生まれたのが「セゾン投信」である。 純粋な独立系ではないが、方向は我々と同じ。

18年ほど前になるが、当時の林野クレディセゾン社長が資産運用ビジネスの歴史的な重要性を理解された。

それで、日本の金融界で初めてとなる直販を主体とした「セゾン投信」が立ち上がった。

ところが、立ち上がる前からずっと頑張ってきて、社長会長を務めた中野が、6月28日に解任となった。

親会社の事情はともあれ、中野が退任したことで直販投信を引っ張ってきた一角が崩れた感がある。

そういうわけには、いかさない。 独立系や直販の投信の社会的な認識と意義が、これだけ高まってきたのだ。

その象徴の一人である中野が、このまま投信業界から消えてもらうわけにはいかない。

これからも、中野には我々と一緒に投信文化を広げていく仕事を、どんどんやってもらおう。

どういう形になるかは、今後のお楽しみとして、出来るだけ早いタイミングで中野の再登場を期待しよう。