米国の債務上限問題がクリアできたということで、先週の金曜日に米国株は大幅の上昇をみた。
それを受けて、日本株市場は今日もまた上昇のピッチを上げている。
昔から順張りの投資家が多い日本株市場だ、株価上昇をみれば居ても立っても居られない買いが殺到してくる。
順張り? そう、株価の上昇トレンドをみて買い気をどんどん高める投資家のことを言う。
とにかく株価上昇と、その勢いが大事。 どんな背景で、どんな買い材料とかは問わない。
そこへ証券の営業や市場関係者は、バフェット効果だ、日本株の出遅れ感だと、買いを煽ってくれる。
それに乗って、順張り投資家達がバスに乗り遅れるなで、大慌ての買いを入れているという状況だ。
まあ、お好きに飛びつき買いしたら!だ。 バスに乗り遅れるなで買い気プンプンの投資家につける薬はない。
われわれ本格派の長期投資家からすると、この先どんどん株価が上がっていく状況にはない。
根強いインフレに対し、金利引き上げのスタンスは中央銀行として崩せない。
しかし金利上昇は、ひとつかじ取りを間違えると金融不安を招く。 といった、なんとも難しい局面にある。
この40年ぶりのインフレだが、よほど景気が悪化しない限り、そう簡単には収まらないだろう。
ということは金利高がまだまだ続くわけで、それは企業の経営を圧迫する。
また、金融機関や機関投資家の間で保有債券などの評価損拡大につながっていく。
いつどこで、経営不安やジャンク債などのデフォルト(債務不履行)が発生してもおかしくない。
どれもこれも、株価上昇どころか大きな株価下落を招きかねないマイナス材料である。
また、それは40年越の世界的な金融緩和政策に対する、経済合理性からの反動作用ともなっていく。
経済合理性? たとえばマネーの供給が多くなり過ぎると、その価値は下がってインフレを招く。
インフレとなれば、それを抑えるべく金利は上がる。 金利が上がれば、金融緩和政策に甘えてきた部分が吹っ飛ぶ。
つまり、株価や債券価格が大きく下げる。 これらは、ごく自然の経済現象である。
反動作用? 逆方向への振り子が発生する現象だ。 これまでカネ余りを良いことに買って買いまくってきた。
それらが、次々と売りの連鎖となって横へ広がっていく。 ひどい下げとなるのは避けられないだろう。
ともあれ、この上昇相場は先週も書いたが、絶好の売り場だと思うよ。