NY株式市場の動向だが、どうやら微妙な値動きを示すようになってきたようだ。
そろそろ、ドカーンと大きく下げてもいいのかな、そういった状況下にある。
大きく下げてもいい状況? そう、米国の政策金利は4.5%~4.75%にまで引き上げられている。
それだけ金利コストは上昇しているのだ。 企業経営などを圧迫しない理由はない。
ということは、株式投資にとっては明らかにマイナス要因である。
しかるに、長くカネ余りバブル高を続けてきた余韻もあってか、金融マーケット全般は金利上昇を甘くみているようだ。
それが、10年物長期債利回りの3.93%に象徴されている。 少し前は、3.4%台にまで下がっていた。
それほどまでに、米国債に対する安心感というか信頼度は高い。 これだけ金利が上がってきているというのにだ。
いわく、インフレはいずれ収まる。 政策金利の引き上げはそのうちピークを打ち、むしろ引き下げもあり得る。
そういった楽観論、あるいは現状のバブル相場がまだ続くといった期待感が、金融マーケット全般に充満しているわけだ。
われわれ本格派の長期投資家からすると、4%を超す金利上昇は決して甘く見過ごしできない投資環境である。
しかも、金利上昇の要因が世界的なコストプッシュ型のインフレ圧力ときた。
案外と根の深いインフレ圧力だ。 それも、企業経営にとっては金利上昇と同様にコスト増となる。
そう考えると、企業の業績にはマイナス要因の積み上がりで、早めの売りを考えたいところ。
ましてや、空前のカネ余りバブルで膨れ上がってきた買いポジションが、世界の株式市場に重くのしかかっている。
どこか一角が崩れ出すや、とんでもない金額の売りが殺到しよう。 それも、世界の株式市場に連鎖してだ。
さらには、ジャンク債はじめ信用力の低い企業による債券などは、いつ発行体企業の経営が傾くか知れたものではない。
となると、債券市場の急落もあり得る。 それは、債券利回りの急上昇つまり長期金利の急上昇に直結する。
これらのどれもが、金利上昇局面では当然のように発生する現象である。
いかにカネ余りバブルが強烈で、いまだ燃えカスがたっぷりと残っていようと、マーケットの崩れには無力である。
つまり、株式や債券の価格急落によって、あると信じていた資産の大半が蒸発したかのように消えてなくなる。
それが、ある日突然に現実となるわけだ。 バブルって、もともとそういうものなんだ。