世界的なインフレ圧力だが、株式市場などでは期待感を込めて鎮静化に向かうのではと読んでいるようだ。
インフレの勢いが収まっていけば、各国の利上げも早い段階でピークを打つ。
むしろ、どこかで金利は下げる展開も期待でき、それは景気動向にプラスとなる。
つまり、株価は上値が狙えるから、今の停滞気味の市場は買い仕込みのチャンスだという読みだ。
おそらくだが、このインフレ、そう簡単には収束に向かわないだろう。
なにしろ、多くのコストプッシュ要因が複雑に絡み合っていて、その相互作用が付きまとわってくるのだから。
相互作用? ひとつのコストプッシュ圧力が、別のコストプッシュにつながる連鎖作用だ。
たとえば、コロナ禍を経て先進国では1000万人を超す労働力が現場に戻ってこないという。
その労働力不足は間違いなく、ひとつのコストプッシュ要因となる。
そのコスト高が、それでなくともインフレに苦しんでいる生活者の負担に上乗せされる。
とりわけ、金融緩和バブルで大盛況だった金融界の横で、世界的に低所得化がずいぶんと進んだ。
そういった低所得層からの生活防衛の賃上げ要求は、今回のインフレの大きな要因となっている。
そこへ、先進国の労働力不足が重なり、さらなる賃上げ要求の上乗せとなっていくのだ。
あるいは、ウクライナ問題によるエネルギー源確保で、ヨーロッパ各国では化石燃料への回帰を余儀なくされている。
それと環境問題、つまり地球温暖化との絡みも同様である。
それでなくても、異常気象による災害増加が、世界各地でコスト上昇要因となっていたのだから。
ともあれ、世界的なインフレ圧力はまだまだ続こう。 となると、金利水準もまだ上があるということだろう。
つらつら考えるに、やはり金融マーケット全般の大きな下げは避けようがないのだろう。
異常なるカネ余りで買い上げてきた金融マーケットだから、出てくる売りも想像を絶する大きさとなろう。
そう、大暴落という展開となっていこう。