こんな書き出しにすると、世の投資家たちから大ブーイングを食らうだろうね。
NY市場が昨日は600ドルを超す下げとなった。 つれて、日本株市場も300円超の下げとなっている。
そこで、このまま一気に下げてしまった方がいいと書いているわけだ。
こちらは筋金入りの長期投資家だ。 決して弱気でも悲観的でもない。
いつも明るい将来を思い描いている。 その方向で、お金に働いてもらうのが、そもそも投資というものである。
だからこそ、一刻も早くこのカネ余り相場が崩れ落ちてしまえと願っているのだ。
なぜ? 大体からして、金利をゼロにし資金をやたらバラ撒けば経済は成長するとしてきた経済理論や政策が、おかしい。
金利は経済活動の要であり、それをゼロにして経済が動くわけがない。
さらには、資金を大量にバラ撒けば企業経営などを弛緩させ、インフレを招くだけだ。
どちらにしても、まともな経済のあり様から判断すると、大きく逸脱している。
ところが、この40年ほど先進国中心に、金融緩和政策をこれでもかこれでもかと深掘りしてきた。
その成果が、金融ビジネスの異常なる発展と、多数国民の低所得化ではなかったか。
たしかに、一部の高所得層の異常ともいえる富の増殖は驚くほど進んだ。
一方、中産階級の没落や貧困層の拡大は、世界的な社会問題となってきている。
もともと経済は経世済民であって、「世を安らかに統治し、民を食わしていく」ことである。
ところが、貧困の拡大が社会問題となってくるのでは、経済のあるべき姿からは逸脱している。
つまりは、健全なる経済運営からは、ほど遠い状況に陥っているということだ。
それに対し、1年ほど前から浮上してきたインフレと金利上昇は、経済正常化に向けての自然なる圧力である。
インフレ台頭と金利上昇が、金融マーケット全般を崩落させることは、まさに大歓迎なのだ。
心配はいらない。 たとえ、金融マーケット全般が大暴落しても、人々の生活がなくなることはない。
そして、人々の生活を支える企業活動も一時として止まることはない。
つまり、実体経済はびくともせず存在し続けるわけだ。 大暴落で、生活できなくなるわけではない。
もちろん、金利上昇や企業倒産の影響は一時的には広がろう。 それは、ゾンビ企業などの市場淘汰である。
すなわち、健全なる経済に向けての避けて通れない道ということだ。
だから、どうせ来る大暴落は、一刻も早く来てくれた方がいいと主張しているのだ。