荒れてきたけど、まだ走りだよ

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人は大きな変化には、どうも過剰な反応をしたがるようだ。

株価急落だとか、円安が145円にまで進んだとか、米国の長期金利が4%台に乗せたとか、騒々しいことこの上もない。

それを煽るのが、マスコミ報道である。 マスコミは、いま起こっていることを報道するのが仕事。

それも商売が絡んでくるから、どうしても視聴率や購読数を意識して、マスコミ報道は過剰になりがちとなる。

その点、われわれ長期投資家は大きな変化に直面しても、それほど過剰反応することはない。

なにしろ、その前はどういう状態が続いていたかを踏まえた上で、いつも状況変化を把握していくのだから。

たとえば、ここへきての株価急落も驚きに値しない。 現に以前から、もういつ下げてもおかしくないと主張し続けてきた。

その判断も、世界はずっとカネ余りバブル高を続けてきたが、その反動の下げがはじまったぞというだけいのこと。

ここまで世界は先進国中心に、金融緩和政策をこれでもかこれでもかと深掘りしてきた。

それに対し、いよいよ実体経済からインフレという刃を突き付けられたわけだ。

インフレという刃は、金利上昇を引き連れてやってくるから、株価にはマイナスである。

その結果、米国はじめ各国で株価の急落という事態がひんぱんに発生することになる。

ここへきての急落も、それだけのこと。 別に大騒ぎするまでもないし、この先さらに売られても驚くに値しない。

なぜなら、ここまでの壮大なカネ余り上昇相場で、買い残高が天文学的な額に膨れ上がっている。

ちょっとはそっと売りが出たぐらいで、下げが収まるとは思えない。

こう考えてくると、この下げはまだ走りにすぎないと、落ち着いて判断できる。

長期金利の上昇も同様である。 普通の経済活動からみると、3%や4%の金利なんて当たり前のこと。

ところが、ゼロ金利にどっぷり浸かってきた金融関係者や投資家にとっては、大変な事態となる。

たしかに彼らからすると、長期金利の上昇は困った事態ということになろう。

だが、インフレと金利上昇は実体経済からの刃であり、何人も逆らいようがない。

それは、金利や経済の正常化を意味し、世界経済の健全なる発展拡大にとって、避けて通れない道である。

 

今週は出張が続き、次回の長期投資家日記は10月17日になります。